2013年度神戸市外国語大学 市民講座

一般市民の方々の興味のある総合テーマを取り上げ、本学教員等による市民講座を昭和46年(1971年)より毎年開催しています。

今年度は「社会の中の文学 文学の中の社会」をテーマに、世界の様々な地域の文学や文化を研究している本学教員8人がリレー形式で「文学の力」の核心に迫ります。

総合テーマ 「社会の中の文学 文学の中の社会」

「文学には社会を変える力がある」と言ったら、嘘だと思われるでしょうか。けれどもシェイクスピアやゲーテといった大作家以外にも、根強く人々の生き方に影響を与えてきた文学者は大勢います。世界の様々な地域の文学や文化を研究している本学のスタッフが、リレー形式で「文学の力」の核心に迫るこの講座は、それぞれの講師の多様で斬新なアプローチを通して、きっと受講者の皆さんの心の奥に、たとえ静かであっても深く大きな波紋を生み出すことでしょう。

 

日時タイトル講師

第1回

10月5日(土曜)

14時~16時

その後のロビンソン・クルーソー ―現代的パロディがはらむ意味
教授 御輿 哲也
『ロビンソン・クルーソー』が、無人島に漂着しながら独力で「文明生活」を築いた男の物語であることは、よく知られています。ところがノーベル賞作家のクッツェーは、それをパロディ化した作品『フォー』の中で、新たに一人の女性漂流者を登場させるとともに、従僕フライデーが言葉を話せないという設定にすることで、ロビンソンの周到な計画を頓挫させ無力感をもたらします。このパロディの狙いは何なのか、「西欧近代の驕り」「文字文化の限界」などをキーワードにして、様々な角度から考えてみましょう。
第2回

10月9日(水曜)

18時~20時

『流れる涙』の流域 ―アメリカ合衆国の日系文学が描く社会
教授 篠田 実紀
しばしば人種のるつぼと呼ばれるアメリカ合衆国ですが、文学の中にも人種の複雑な相関関係を描いたものが少なくありません。ここで取り上げる日系2世作家Hisaye Yamamotoによる『The Streaming Tears(流れる涙)』(1951)という短編作品もその一例で、短く淡々とした描写の中に、アメリカの人種構図を読み解くことができます。テキストの英語の原文を読みながら、一人の日系人と異人種の人々との接触が物語る社会構造を分析し、その背後にある作者の批判的な視点を探ります。
第3回

10月12日(土曜)

14時~16時

「場違いな」文学 ―アルジェリアとフランス語文学

教授  武内旬子
植民地支配の遺産でもあるフランス語は、今日、世界の各所で多様な文学を生み出しています。最近、日本では、残念な事件で知られるようになったアルジェリアもその一つです。今回は、アルジェリア出身の女性作家アシア・ジェバールの、「(作家の)私」と「私たち(現在と過去のアルジェリア女性たち)」が複雑な関係を織りなす、繊細で痛みに満ちた、しかし美しく豊穣な文学世界へと御案内いたします。
第4回

10月16日(水曜)

18時~20時

セルバンテスの社会 教授  野村竜仁
セルバンテスと言えば、世界的なベストセラー小説『ドン・キホーテ』の作者として知られますが、その人生は必ずしも順風満帆なものではありませんでした。「太陽の沈まない帝国」となったスペインで数多くの辛酸を味わい、晩年になってから自身と祖国の戯画とも言うべき滑稽な郷士の物語を著したセルバンテス。彼の生涯をひもときながら、当時のスペインの社会的諸相について考えてみたいと思います。
第5回

10月19日(土曜)

14時~16時

『ウォールデン』におけるソローの(非)社会的ライフスタイル 教授 難波江 仁美
Henry David Thoreau (1817-1862)は 1845年、ボストン郊外コンコードの南方4キロにあるウォールデン湖畔に丸太小屋を建て、2年2カ月の間「どの隣人からも1マイル」離れて過ごすという生活を送った。自然、社会そして自己を一人で徹底的に見つめる実験的試みであった。その体験を綴った『ウォールデン』は、生きるために本当に必要なものは何かを問う啓発の書としても読み継がれてきた。ソローの声に耳をすませ、社会、環境、自己について考えてみたい。
第6回

10月23日(水曜)

18時~20時

ラテンアメリカ文学は社会変革をどう描いてきたか 准教授 成田 瑞穂
先住民文化、征服・植民地化、独立、革命といった大きな歴史的社会動乱を体験したラテンアメリカ地域の文学作品を取り上げ、歴史事象のフィクション化がどのように起こっているのかを概説します。とくに「独裁者」と「革命」を中心に、20世紀ラテンアメリカ文学の代表的作家、G.ガルシア=マルケス(コロンビア)、M.バルガス=リョサ(ペルー)などの作品における社会変革のフィクション化、さらに21世紀の新しい世代の作家との関連性について考えたいと思います。
第7回

10月26日(土曜)

14時~16時

中国古典詩における社会批判の系譜 准教授 紺野 達也
中国古典詩(いわゆる漢詩)には為政者や人々の誤りを「諷喩」し、正しい社会へと導こうとする作品が存在しました。中国の伝統的文学観によれば、それは中国文学の源流である『詩経』に始まります。別の言い方をすれば、『詩経』の作品は早い段階で社会批判の詩として解釈されたのです。そして、この解釈はその後も継承され、それをもとに様々な作品が生まれました。今回は、このような中国古典詩における社会批判の系譜について、実際の作品を読みつつ考えたいと思います。
第8回

10月30日(水曜)

18時~20時

ドストエフスキーの『罪と罰』を読む 
―近代社会とその余計者の観点から―
教授 北見 諭
ロシア文学に繰り返し現れる「余計者」と呼ばれる主人公たち。それは近代社会に居場所を持たないはぐれ者です。西欧文学の「バイロン的人物」や夏目漱石の「高等遊民」も同じような人物です。近代文学はこうしたはぐれ者を登場させ、彼らにしかわからない近代社会の歪みを描き出そうとします。近代の脱落者、より正確には自分から近代社会に背を向けた余計者の目に近代社会はどのように映るのか。ドストエフスキーの『罪と罰』を題材に近代社会とその余計者について考えます。

【開催場所】 神戸市外国語大学 第2学舎1階 503教室

【募集定員】 200名

【受講料】
1回毎の受講は1,000円 8回通しで5,000円
高校生・大学生・院生は学生証提示で、1回毎の受講料は500円 8回通しで2,500円

【修了証書】5回以上出席の方で希望者には修了証書をお渡しいたします。

【受講までの流れ】
受講申込→受付完了の連絡→受講料の払込→受講

お申込みいただいた後、こちらから受付完了の連絡(電話・FAX・e-mailのいずれかで)をいたします。その後、受講料をお支払いください。お振込み完了後、特にこちらからは連絡いたしません。講座の開始1週間前になってもお振込みがない場合は受講を辞退されたものとして取り扱います。


【申込方法】

必要事項(受講希望日・氏名・住所・電話番号等)をご記入の上、郵送またはFAX、e-mailのいずれかでお申し込みください。(所定の申込用紙[96KB]をご利用ください。)申込は、9月9日(月曜)10時から先着順となります。申込後、1週間を過ぎても連絡がない場合は、お問い合わせください。なお、お電話によるお申し込みは受け付けておりません。

【申込先】

神戸市外国語大学 市民講座係 宛
〒651-2187 神戸市西区学園東町9-1
FAX:078-794-8160
e-mail: shiminkouza@office.kobe-cufs.ac.jp

【受講料の納入】

受講料は前納制です。講座開始の1週間前までに郵便払込取扱票で、ゆうちょ銀行(郵便局)にてお支払いください。(払込手数料はご負担ください。)
*口座記号番号: 00940-3-271346
*加入者名: 公立大学法人 神戸市外国語大学
*通信欄に受講される講座日をご記入ください。
*受講者名にて払い込んでください。

【その他注意事項】

公共交通機関を利用してお越しください。

  • アクセス

  • 問い合わせ先

    神戸市外国語大学 市民講座係
    〒651-2187 神戸市西区学園東町9-1
    TEL:078-794-8177
    FAX:078-794-8160
    e-mail:shiminkouza@office.kobe-cufs.ac.jp 

    *主催*神戸市外国語大学
    *後援*神戸市・神戸市教育委員会