2010年度後期 市民講座特別コース

【概要】

神戸市外国語大学では、豊富な知識経験や知的好奇心を有する地域の方々の期待に応えるため、特定のテーマを学べる社会人向けの「市民講座特別コース」を2008年度より開講しております。今回は2010年度後期の受講生を募集します。

【特徴】

  1. 1クラス30名もしくは40名の定員とし、少人数で授業を行います。
  2. 受講生・講師間における意見交換・質問回答・各種指導をより活発に行うことで、一つのテーマをより深く学習することができます。

【開講予定講座】

2010年度後期は、語学講座を2コース、教養講座を3コース開講する予定です。開講場所は、すべて神戸市外国語大学構内(神戸市西区学園東町9丁目1番地)です。

(1) 語学講座 I(中級)

講座名 Introduction to American Poetry

講義は英語で行い、アメリカ文学史の中でもとりわけ詩を扱います。4回の講義を通して、アメリカ文学史における特定の時期やテーマに焦点を当てながら、詩人や詩について考察します。ヨーロッパの思想が及ぼした影響を論じながら注目したいのは、特に19世紀にアメリカの声が確立してゆく過程についてです。その後、現代に至るまでアメリカの声とそれに関するテーマの跡を辿ることができます。なお講義では、受講生からの質問やコメントを歓迎します。

講座内容 第1回 A review of the literary history of the United States, with emphasis placed on the 19th-century Transcendentalists.

第2回 A review of American poetry written between the mid-19th and mid-20th centuries.

第3回 An in-depth look at some of the poems and poets of contemporary America.

第4回 A continuing exploration of contemporary American poetry, including a look at the instructor's own work.
講師 David Lee Farrah(教授)
回数 全4回(4回通しの講座となります。)
開講日 2010年11月24日(水)、12月1日(水)、8日(水)、15日(水)
開講時間 各日18:30~20:00
受講料 4,800円(4回通しの受講料。前払い)
定員 30名

(2) 語学講座 II(初級)

講座名 ポーランド語講座(初級)

かつてヨーロッパの大国として栄え、またコペルニクスやショパン、キュリー夫人、ヨハネ・パウロ2世などの偉人を輩出した国として知られるポーランド。今回はごく簡単な日常会話表現をもとに、ポーランド語文法の初歩を学びます。ポーランドの文化や習慣、国民性についてのお話も交えながら、ゆっくりと授業を進めていきます。

講座内容 第1回  こんにちは!(文字と発音、定型的な挨拶表現など)

第2回  これは何ですか?(名詞の性と数、人称代名詞、動詞byćの現在形など)

第3回  なんてきれいな町でしょう!(形容詞、形容詞的代名詞など)

第4回  あなたには兄弟か姉妹はいますか?(動詞の現在その1、名詞の格変化など)

第5回  あなたはポーランド語が上手ですね。(動詞の現在その2、副詞など)

第6回  私は大学で勉強しています。(動詞の現在その3、非人称述語など)
講師 森田 耕司(准教授)
回数 全6回(6回通しの講座となります。)
開講日 2010年10月6日(水)、13日(水)、20日(水)、27日(水)、11月10日(水)、17日(水)
開講時間 各日18:30~20:00
受講料 7,200円(6回通しの受講料。前払い)
定員 30名

(3) 教養講座 I

講座名 正教から見たロシア文学 -ドストエフスキー試論-

19世紀ロシアの作家フョードル・ドストエフスキーの作家としての人生と運命、創作的理念の発展について、とりわけロシア正教との関わりに焦点をあてて概観する。その最大の理由は、この作家に関する膨大な論説のほとんどが作家の信条である宗教的世界観を無視し、作品そのものか、生涯の外的な事件のみをその創作的理念の根拠としてきたからである。ここでは作家の人生や作品とともに、ロシア正教会の伝統や教義的特徴についても随時補足説明をしながら、これまでほとんど顧みられることのなかった作家の本質に光を当てていきたい。ドストエフスキーの描く人物や心理には必ずロシアの伝統的信仰の光と様々な残照をみとめることができることをまずは確認しておきたい。

講座内容

第1回 「ドストエフスキーの人生 ゴルゴダへの道」
ゴルゴダとは、キリストが十字架に架けられた丘であるが、総じて信仰上の理由から、権力や社会によって被った迫害の象徴とされる。決して平坦とは言えなかった作家ドストエフスキーの人生においても、「ゴルゴダ」の特徴は青年期からすでに際立っていた。まず父親が農奴に惨殺されるという事件、そして当時危険視されていた革命的サークルへの関与、逮捕と裁判を経て死刑宣告(罪一等を減ぜられる)、シベリアでの懲役と流刑、結婚と妻の病と死、またその後作家として、家庭人として味わうことになる幾多の苦難を象徴する言葉として理解することができる。だがここで注目すべきは、作家が前半生において経験した様々な人生の問題やその中で培われた文学への意識においても、キリスト教的世界観は確かにその萌芽を蔵していたばかりか、つねに創作の基盤をなしていたことである。少なくとも、後期長編や「作家の日記」に認められる受難への意識(功)、地上の罪の贖い(浄化)といった意識は、すでに初期作品において現れていることを指摘しておきたい。

第2回 「ドストエフスキーの人生 地獄めぐり」
作家ドストエフスキーを考えるうえで欠かすことのできないもうひとつの重要な特性、それは癲癇の病である。これがルカ福音、マトフェイ福音における「霊に憑かれた者」である。シベリア抑留も終わりが見え始めた1858年にドストエフスキーは、この霊が体から出て行くためには、「祈りと斎」によるしかないことを自覚していた。日々作家を悩ませていた悪夢は、この世界における「地獄」の領域を知ることを余儀なくさせたとも言える。だが実際、こうした感覚を文字に書き表すことには大きな抵抗があった。つまるところ、ドストエフスキーはこれを福音書的に理解して、「(悔い改めた)取税人」として生きるしかないという境地に至ったのである。このことは「地獄にいながら、知恵を保つ」生き方を指南したアトスの聖人シルアンにも似た思想を抱くようになったことからもうかがわれる。こうした心理的問題を芸術化した「ボボーク」その他の作品を実例として検討する。

第3回 「ドストエフスキーとロシア 作家の見るロシア的イデア」
「ロシア的イデア」とはドストエフスキー自身の表現であるが、その内容は作家自身にとって必ずしも明確にはされなかった。だが彼がそれを「我々の正教をその定めでもある、人類への全的奉仕に向かはしむること」と定義していることは興味深い。この議論そのものはピョートル一世の否定的評価に端を発していたが、その理由が一元的ではないのは、それ以前のヨーロッパ的なキリスト教文明から隔絶された中世ロシアの社会が正しい道を歩むための条件をそなえていなかったからである。そこで彼は正教の使命をその全世界的な流布に見るようになり、ピョートル大帝の政策によって力ずくでヨーロッパの影響圏に引きずり出されたロシアは、正教国の盟主として、トルコ崩壊後、聖地コンスタンチノープルをロシアに帰属させるべく訴えるようになる。ドストエフスキーがこうした宗教・政治的野心を抱いていたことは、結果的に、彼自身の天才的芸術観との矛盾のなかに身をさらすことに繋がっていった。彼が理想化したスラブ同盟というものがいかなるものであったのかという問題を含めて論じてみたい。

第4回 「教会の子ドストエフスキー」
18世紀のロシア近代文学の発生以後、作家やインテリゲンツィアに占める無神論者の割合は、一般大衆のそ れを遥かに凌いでいた。これは文学の発生を促した温床が、ピョートルの改革に反対するフリーメイソンの反動勢力にあったことが大きな要因とされる。その意 味で、ドストエフスキーの「信仰」はロシアの作家たちの間でも際立っていた。彼のそうした立場がよく表れた例として、彼自身が「市民」の編集に携わってい た頃の論文「ニール神父の物語」を検討する。修道院でのスキャンダルに対して、作家は世間とは全く異なった正教的な判断を下すのである。これは作家が息子 を亡くした後、失意のまま哲学者ソロヴィヨフとオプチナ修道院のアムヴローシイ長老に面会し、霊的な慰めを得たこととも重なり合う。長老の「彼(ドストエ フスキー)は悔い改めた人間だ」という評価にも表れているとおり、当時すでに生活のあらゆる問題や誘惑に対して、正教的な知恵をもって対処する術を身につ けていた。これは「カラマーゾフの兄弟」において、アリョーシャがゾシマ長老の遺体が死の直後に腐臭を放ったことで信仰に躓きを覚えたというエピソードに 込められた意味を考えるうえでのヒントにもなりうる。

第5回 「ドストエフスキーとオプチナ修道院」
ドストエフスキーと正教会との交わりの軌跡を最もよく表している事例が、前回講義でも触れたオプ チナ修道院との関係である。彼がこの長老制で知られていた修道院を訪れたのは、生涯のなかでただ一度きりであるが、そこから得たものは、その後の人生と創 作のすべてを決定づけるほどの意味をもっていた。直接の契機は幼い息子の死によってもたらされた悲しみを乗り越えることであったが、創作的には、この経験 をもとに長編「カラマーゾフの兄弟」のための様々なディテールを取材するためでもあった。その意味では、やはり同じ修道院との関係とはいえ、「死せる魂」 の不首尾から逃れて修道生活に入る希望を抱いていたゴーゴリとも、修道士の悪徳に満ちた暮らしぶりを取材しようとしたトルストイとも来訪の動機は大きく異 なっていた。様々な外面的な不一致についてはともかく、ゾシマ長老の人格に結実したものが、奇跡以上に重要な「愛」であったことは、アムヴローシイ長老を 初めとする歴代長老の生き方や世界観とも完全に一致している。この最後の長編における状況設定は、このオプチナ修道院を想起させるディテールにあふれてい るが、それらが外面的な類似のみならず、歴史的、正教的意味を体現したものであることを忘れてはならないだろう。ドストエフスキーと正教信仰を繋ぐ決定的 な契機となっているものが、このオプチナ修道院の長老制なのである。
19世紀ロシアの作家フョードル・ドストエフスキーの作家としての運命と創作的・思想的理念の発展について、ロシア正教との関わりに焦点をあてて概観する。作家の人生や作品とともに、ロシア正教会の伝統や教義的特徴についても随時補足説明をしていく。

講師 清水 俊行(准教授)
回数 全5回(5回通しの講座となります。)
開講日 2010年11月5日(金)、19日(金)、26日(金)、12月10日(金)、17日(金)
開講時間 各日18:30~20:00
受講料 6,000円(5回通しの受講料。前払い)
定員 40名

(4) 教養講座 II

講座名 伝統スポーツ文化を読み解く -アジア・アフリカ・ヨーロッパ

グローバルスタンダードとしての近代競技スポーツではなく、地域や共同体のみに伝承されている伝統スポーツ文化を取り上げます。そこには実に生き生きとしたスポーツが展開されており、豊穣祈願、病魔退散、子孫繁栄、さらには年中行事の身体性へと繋がっています。老若男女を問わず誰でもが楽しみにする伝統スポーツ文化の世界にアプローチし、その文化コードを読み解きます。

講座内容 第1回 「稲作民のスポーツ文化」 
東南アジアに伝承されている雨季・乾季招来儀礼としてのスポーツ文化(綱引・ブランコ・ボートレースなど)を取り上げ、稲作と日常生活との関連を探ります。

第2回 「霊力を競うレスリング」
アフリカ・コートジボワールのダン族に伝わるレスリングは、部族の精霊の助けを得なければ勝てないといわれています。彼らの精神世界とスポーツ文化との接点にアプローチします。

第3回 「労働からスポーツへ」
フランシスコ・ザビエルの故郷であるバスクでは、日常労働が競技スポーツへと進展し、彼らのアイデンティティの拠り所となっています。バスク伝統スポーツ文化の諸相を見ながら、その民族性を考えます。
講師 竹谷 和之  (教授)
回数 全3回(3回通しの講座となります。)
開講日 2010年11月2日(火)、9日(火)、16日(火)
開講時間 各日18:30~20:00
受講料 3,600円(3回通しの受講料。前払い)
定員 40名

(5) 教養講座 III

講座名 自閉症の社会学

発達障がいである自閉症について、理論社会学的な視点からアプローチすることを試みます。社会福祉学的な視点とは異なるやり方ではありますが、社会学の本質と自閉症とは案外深い関わりがあるように思われるからです。社会学に関しても自閉症に関しても、初歩的な説明が中心となります。

講座内容 第1回  自閉症についての入門的な説明を試みると同時に、社会学的なものの見方の初歩を紹介し、両者が無関係ではないという視点を提起します。

第2回  いくつかの古典的な社会学の視点を紹介し、それが自閉症をめぐる諸現象と重なり合っていることを紹介します。取り上げる社会学者は、デュルケム、クーリーなどを予定しています。

第3回  第2回に引き続き、いくつかの社会学的な視点と自閉症をめぐる諸現象の重なり合いを紹介します。取り上げるのは、ゴフマンの社会学、エスノメソドロジーなどを予定しています。出来れば、文化についての話題も取り上げたいと思います。
講師 竹中 均(教授)
回数 全3回(3回通しの講座となります。)
開講日 2010年10月4日(月)、18日(月)、25日(月)
開講時間 各日18:30〜20:00
受講料 3,600 円(3 回通しの受講料。前払い)
定員 40名

※日程・講座内容等については、変更が生じる場合があります。
※ 応募者が少ない場合、講座を中止することがあります。

【申込方法】

必要事項(受講希望講座・氏名・住所・電話番号)等をご記入の上、
9月10日より、郵送、FAX、またはe-mailのいずれかでお申し込みください
(所定の受講申込書[354KB]をご利用ください。)。
申込の締切日は、講座開始の1週間前まで(必着)。
受講者が定員を超えた場合のみご連絡いたします。
なお、電話によるお申込みは受け付けておりません。

【申込先】

神戸市外国語大学 市民講座特別コース係 宛
〒651-2187 神戸市西区学園東町9-1
Fax:078-794-8160
st2010@office.kobe-cufs.ac.jp

【講座の中止】

応募者が少ない場合、講座を中止することがあります。中止決定の場合はお知らせいたします。

【受講料の納入】

受講料は前納制です。講義開始の1週間前までに郵便払込取扱票で、ゆうちょ銀行(郵便局)にて払込をお願いいたします(払込に係る手数料はご負担ください。)。

*口座記号番号: 00940-3-271346
*加入者名: 公立大学法人 神戸市外国語大学
*通信欄に受講される講座名をご記入ください。
*受講者名にて振り込んでください。

納期限内に納入されない場合には、受講を辞退したものとして取扱いをいたしますのでご注意ください。

一度納入された受講料は払い戻しできませんので、ご了承願います。

【修了証書】

各講座につき8割以上出席された方には、修了証書をお渡しいたします。全6回の講座であれば5回以上、全3・4回の講座であれば全回、出席された方が対象となります。

【途中受講】

開講日を過ぎてからも、途中から受講できる講座もあります。詳しくは事務局までお問い合わせください。ただし、受講料は全額を納入いただくこととなりますのでご了承ください。

【休講・補講】

講師の都合、天候、交通機関などの事情により、やむを得ず休講となる場合があります。休講の場合は、原則として補講を行います。休講・補講のお知らせはこちらからご連絡します。受講申込書には必ず日中に連絡が取れる連絡先をご記入ください。

また、何らかの事情により、開始時間30分を経過しても講座が行われない場合は休講とし、後日補講を行います。ただし、代講となる場合もありますのでご了承ください。

【録音、録画、写真撮影】

原則として、講義中の録音、録画および教室内での写真撮影はおことわりします。

【受講資格の取り消し】

次のような好ましくない行為があった場合は、教室からの退出、受講の停止、もしくは受講の取り消しをすることがあります。なお、受講料の返金はいたしません。

  1. 他の受講生の迷惑となる事や、授業の進行を妨げる様な行為を行った場合
  2. 法令等や公序良俗に反する行為があった場合

【その他注意事項】

公共交通機関を利用してお越しください。

【問い合わせ先】

神戸市外国語大学 市民講座特別コース係 宛
〒651-2187 神戸市西区学園東町9-1
Tel:078-794-8177
Fax:078-794-8160
st2010@office.kobe-cufs.ac.jp

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