霍建起監督講演会 / 創立60周年記念事業

講演会の様子

概要

中華人民共和国の映画監督 霍建起(Huo Jianqi)氏が兵庫県産業労働部観光局の特別企画「映画監督・霍建起が行く兵庫県」の企画により来日され、企画の一環として、また本学創立60周年記念事業の一環として、霍監督と本学学生との交流会が2006年10月11日(水)に実施されました。→実施概要

主催者コメント

夏休み前に毛丹青先生からご企画をいただいてより心待ちにしていた霍健起監督の講演会が,後期開始第二週の水曜日に,盛会のうちに幕を下ろしました。

霍健起監督

美術畑ご出身の監督が,くどくどしいダイアローグよりも息を呑むような美しい映像を通して人間の普遍的な感情を描きたいとお考えであること,撮影過程においては,人為的な計算の外に,様々な偶然やインスピレーションが働いていたこと,そしてそのような偶然やひらめきは,俳優選定の段階から始まっていたことなど,興味深くワクワクするようなエピソードが満載のご講演内容でした。また,今回のご講演にいらっしゃってからも,霍監督の愛読書がG・ガルシア・マルケス(本学の木村学長が日本語訳を手がけられた)であったり,劉燁を凌ぐ若き才能を我が中国学科から見出されたり,幸福で楽しい偶然とひらめきが講演会を大いに盛り上げました。霍健起監督は学生たちの全ての質問に,本当に誠実に,そしてとても丁寧にお答えくださいました。大きな会場が温かでアットホームな雰囲気に満ちていたのは,霍監督のこのようなお人柄によるものだったように思います。

毛丹青非常勤講師

毛丹青先生の通訳は,「クロード・モネ」「レンブラント」「ガルシア・マルケス」「新感覚派」「禅の境地」などなど,一般の中国語通訳者がちょっと咄嗟に反応できそうにない文化語彙をたちどころに捌く瞬発力を備えたものでした。出典が不確かなのですが,米原真理氏かあるいは塚本慶一氏の著書にあった「通訳者はスピーカーと同等か,あるいはそれ以上の知識と教養を要求される仕事である」という言葉を,実感を持って思い出させるお仕事ぶりでした。

私たちがこの講演会を企画した目的は,大きく二つあります。一つは中国の文化人に日本の大学生との交流を体験していただき,その等身大の姿を見ていただきたいということ,もう一つは,中国学科の学生たちに,ウイットに富み,教養あふれる中国語に直接触れて欲しい,ということです。今回の霍健起監督講演会が大成功だったのは,霍監督ご自身のお人柄,達人技と企画力の両方を兼ね備えた凄腕の通訳,事務局の行き届いた心配り,などなどの重要な要因が上げられますが,最も大きかったのは学生諸子の講演会に臨む意欲あふれる姿勢でした。演台側から見る真剣に輝く瞳,質問が次々と続き全く途切れなかったこと,他の人の中国語による質問を聞くときの温かな眼差しと態度,一人ひとりの存在そのものが,霍健起監督にどんなに素晴らしい日本の印象を与えたことでしょう。

下地早智子助教授

日本の学生はおとなしい,無気力だ,自己主張しない,勉強しない,が中国の先生方から漏れ聞く日本の大学生のイメージですから,「日本の学生も中国の学生と変わらないね」と霍監督に言わしめた学生諸子の態度は,本当に誇らしく嬉しいものでした。(私の印象では中国の大学生は恐らく世界的レベルから見ても物怖じのない,かなり積極的かつ意欲的な人たちです。)一、二年生には,自分の感想を中国語を使ってアドリブで語る上級生の姿が身近な目標として目に焼きついたことでしょう。そしてもしかすると,習いたての中国語で果敢に質問する一、二年生の態度が逆に刺激になった上級生もいたかもしれません。参加された学生諸子におぼえていて欲しいことは,講演会の主人公は,聞き手でもあり得るということです。そして今回皆さんはとても素晴らしい聞き手でした。

今後も第二弾,第三弾の企画を予定しております。今回残念ながら質問することが出来なかった皆さんも,次のチャンスはぜひ生かしてください。そして,そのためにどうぞ日々言葉を磨き,感性を磨いていてください。

会場には中国学科以外の学生,卒業生,父兄の方々も大勢お集まり下さいました。積極的にご質問やコメントをくださった方もいらっしゃいました。この場を借りて心から御礼申し上げます。

中国学科 下地早智子

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