コース概要
国家間あるいは民族間の交流・接触において、言語がこの上なく重要な役割を担っていることは改めて指摘するまでもありません。もちろん、国家間の交渉の場におけるコミュニケーションの媒体としての役割もありますが、より大規模な現象としては、歴史が物語っているとおり異文化交流による言語の変容ということが挙げられます。
この場合往々にして確立された文明圏から周辺へと影響が及ぶことが多く、個別の言語の質的変化を見てもその傾向がうかがえます。インド仏教や中華文明、ヨーロッパ文明の中国や日本を中心とする東アジアへの影響など、いずれも文化的な影響だけでなく言語にも計り知れないほど大きな影響を与えてきました。その意味でわれわれは、日本語及びそれをとりまく諸言語に絶えず注目し、将来どのような変化を遂げるかを展望していかなければなりません。
その際、二つの面からのアプローチがあります。すなわち、一つは個々の言語の歴史的変遷をたどり、それを研究することによって未来をうかがうものであり、もう一つは空間的な広がりの中で現在の言語活動をとらえていこうとする方向です。つまり、空間的、地理的な意味で大きな視点に立ち、なおかつ個別言語の歴史的変遷に目を向けてこそ、これまでの個別的に取り扱ってきた言語の関連性がより一層明瞭になり、かつまた将来への展望も可能になると考えます。
言語コースでは、日本語とその近隣言語を対象とした包括的な言語研究を行うことを目的としており、各言語の交流と接触の諸相を見通しながら個々の言語を研究するとともに、時間と空間、地理的特性などの観点から多様な言語を比較研究します。日本を中心とし、それを取り巻く世界各地の言語を考察するという観点から、日本を起点とし、西と東の両地域の言語「言語交流と言語接触」を主なテーマにして研究、教育していきます。
授業担当専任教員(2023年度)
分野 | 教員名 | 担当科目名 |
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日本語 | 教授 福田 嘉一郎 (Yoshiichiro FUKUDA) | 日本語文法研究1・2 Japanese Grammar 1・2 |
教授 岩男 孝哲(Takanori IWAO) | 日本語習得研究 1・2 Studies of Japanese Language Acquisition 1・2 |
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アジア言語 | 教授 林 範彦 (Norihiko HAYASHI) | 東南アジア言語研究 1・2 Southeast Asian Linguistics 1・2 |
教授 任 鷹 (Ying REN) | 中国語意味論研究 1・2 Chinese Semantics 1・2 |
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教授 下地 早智子 (Sachiko SHIMOJI) | 日中対照研究 1・2 Contrastive Study of Chinese and Japanese 1・2 |
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教授 竹越 孝 (Takashi TAKEKOSHI) | 中国語歴史文法研究 1・2 Chinese Historical Grammar 1・2 |
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教授 金子 百合子(Yuriko KANEKO) | 現代ロシア語研究 1・2 Modern Russian 1・2 |
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欧米言語 | 教授 本多 啓 (Akira HONDA) | 認知言語学研究 1・2 Cognitive Linguistics 1・2 |
教授 Franklin Chang(フランクリン・チャン) | 欧米言語演習(心理言語学研究1・2) European & American Linguistics (Psycholinguistics1・2) |
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教授 山口 治彦 (Haruhiko YAMAGUCHI) | 語用論・談話分析研究 1・2 Pragmatics ・Discourse Analysis 1・2 |
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教授 Montserrat Sanz (モンセラット・サンス) | 第二言語習得論研究 1・2 Second Language Acquisition Theory 1・2 |
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准教授 濱田 彰(Akira HAMADA) |
欧米言語演習(第二言語教授法研究) 1・2 |
*各講義の概要や授業時間割はトップページの「シラバス検索」からご確認ください。