2016.09.16

おすすめ資料 第348回 1974年、ある英語教育改革案が出されました。

1974年、ある英語教育改革案が出されました。
このとき起こった論争を中心に英語教育の歴史を振り返り、英語教育論の現状と今後について書かれたのがこの本です。
当時一般に「実用」か「教養」かの二者択一のようにとらえられたこの論争が、そのような単純なものではなかったことが解き明かされます。
コミュニケーション英語は四技能のどれも疎かにできないこと。文法を教えることの重要性。
どちらの主張にも現在に通じる重要な指摘が含まれていましたが、おそらく当事者の予期しなかった形で、この論争が「使える英語」を指向する英語教育へ道をひらく一つのきっかけになったようです。
さて、それも含めた英語教育の歴史をふまえた著者の提言は、何と表紙のデザインに埋め込まれています。
英語教育に携わる方のためのものですが、裏返せば学習者にも大切なことが書かれているように思います。

2016年9月16日(橋)