2009.11.06

おすすめ資料 第100回 暦・カレンダーから文化を読み取る

1年の終わりが近づくと、店先にはカラフルなカレンダーが目に付くようになってきます。日ごろなにげなく使っているカレンダー。世界各地では様々な暦法―イスラーム暦、イラン暦、ユダヤ暦など―が採用されています。暦をあらわすカレンダーも地域によって多種多様です。新年が春分の日からはじまったり、クリスマスが1月7日だったり。日本で一般的に使われているのは新暦によるカレンダーですが、全世界が日本と同じカレンダーによって日々をおくっているわけではないのです。この本は「時間はひとつではない」という事実を、カレンダーを通して目にみえる形で提示し、背景にある文化、宗教、民族、歴史の存在に気づかせてくれます。カレンダーの写真も豊富で、パラパラ見るだけでも楽しい本です。

世界のカレンダーをご覧になりたい場合は、国立民族学博物館が所蔵する標本資料目録データベース で、「カレンダー」「暦」といったキーワードで検索してみてください。これがカレンダーか?というものが続々とでてきます。

アジアの暦に興味があるかたは、岡田芳朗著『アジアの暦』 大修館書店 [N449-7]が、地域別に詳しく解説しています。

図書館では、暦やカレンダーについての資料は449、天文学の下に分類されています。文化、宗教、生活といったことに興味があっても、日ごろはあまり見ない棚かもしれません。文化を理解する切り口にはいろいろなものがあります。書架分類449の資料も一度のぞいてみてください。

2009年11月6日(長)