2010.08.06

おすすめ資料 第114回 日本の心の今と昔

本書は、NHK放送文化研究所が、全国の16歳以上の国民を対象に1973年から5年ごとに実施している「日本人の意識」調査の第8回目(2008年実 施)の結果をまとめたものです。この調査は5年ごとに、同じ質問、同じ方法で世論調査を重ねることによって、日本人の生活や社会についての意見の動きをと らえることを目的としています。

質問項目は家庭や仕事のあり方、政治や国際化に関する意識まで幅広い分野にわたっていますが、テーマ別に過去の調査結果との比較を交えながら簡単にまとめられているため、とても読みやすく、必要な箇所だけを拾い読みすることも可能です。

少しだけ中身を紹介すると、調査開始時の73年から現在にかけて最も大きく変化したのは家族・男女関係に関する質問領域だそうです。特に「女性は子どもが 生まれても職業を持つべき」と考える人がこの35年間で20%から48%に増加したのと同時に、「夫も家事育児の手伝いをするのが当然」と考える人も 53%から86%と大幅に増加しています。一方で、「日本に生まれて良かった」「古い寺や民家に非常に親しみを感じる」など日本への愛着心に関する質問に はほとんど変化がなく、この35年間常に90%以上の人が「そう思う」と回答しています。

時代と共に変化した人々の考え方と、いつの時代も変わらない考え方の両方を追うことで、現在だけでなくこれからの日本のあり方についても考えてみてください。

また当館では、第1回目と第2回目の調査結果を比較・解説した初版から全ての版を所蔵しています。こちらも併せてご利用ください(以下参照)。

2010年8月6日(福)