2007.03.02

おすすめ資料 第14回感性の大河と知性の森林への旅立ち

松岡正剛著『千夜千冊』求龍堂
1.遠くからとどく声[N019=110=1]
2.猫と量子が見ている[N019=110=2]
3.脳と心の編集学校[N019=110=3]
4.神の戦争・仏法の鬼[N019=110=4]
5.日本イデオロギーの森[N019=110=5]
6.茶碗とピアノと山水屏風[N019=110=6]
7.男と女の資本主義[N019=110=7]
特別巻書物たちの記譜 : 解説・索引・年表[N019=110=II]

司書のおすすめサイト(2007年2月23日付)で紹介しました「千夜千冊マップ」のコーパス「千夜千冊」が出版されています。松岡正剛『千夜千冊』(求龍堂)、本文全7巻には2000年2月23日の第一夜の中谷宇吉郎『』から第一一四四夜の柳田國男『海上の道』までが「まるで世界を編集しているようでした」と著者に言わしめた難作業をとおして、まったく新しい組み立て方で収められていて第8巻目は「書物たちの記譜」と副題された非常にユニークな仕掛けを持った解説・索引・年表となっています。

WEB上で書き継がれた「千夜千冊」が、いかにして『千夜千冊』となったか、『グーテンベルクの銀河系』でマクルーハンが展開した活字メディアと電子メディアの可能性、「メディアはメッセージである」という有名な言葉のように「書物」それ自体がメッセージなのだということを『千夜千冊』を読むものは否応無く納得させられてしまいます。「組みの美学」や「ダブルページ」というフォーマットなど独特のアフォーダンスを持つ「書物」というものを電子メディアと比較しながら再度考えてみるためにも非常に意味深い資料です。『千夜千冊』にふれた、著者と福原義春氏の「書物会記」という対談が『図書』(岩波書店)2007年1月号に載っていますので興味のある方はそちらもご一読ください。

2007年3月2日(牛)