2007.09.21

おすすめ資料 第43回熟語・慣用句を学んでロシア語の表現力を豊かにする

キムミネ著浅沼寛司編『ロシア語慣用句辞典』東洋書店 [N833.4-R-14]

長らくNHKに勤められ、『エルミタージュの緞帳:モスクワ特派員物語』[N302.38-133]で第46回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞された小林和男氏に『1プードの塩:ロシアで出会った人々』[N302.38-147]という著書があります。(プードは昔のロシアの重量単位で1プードは約16kg。)なぜ1プードの塩なのでしょうか?

この慣用句辞典によりますと「Пуд соли съесть」"(誰...と)ともに1プードの塩を食べる" すなわち「一緒に暮らしながら、または付き合いながら、食べた塩の量が1プードになる程の年月を過ごす」という慣用表現。「長い間付き合う、長い間一緒に暮らす」という意味。次に用例にロシア人なら誰もが知っているという諺がのっています。「人を理解するには(1プードの塩を食べるほどの)長い年月をかけてつきあってみなければならぬ。」と。

この図書の著者キムミネ氏の「まえがき」を引用します。「ロシアでは日常生活において、人と会話をしたり、文章を書く時、数多くの熟語・慣用句が使われている。これらの熟語・慣用句は表現力が豊かであるので、物事を最も簡潔な形で的確に表現できるからである。」「ロシア語を勉強する人は、はじめから熟語・慣用句を習いながら、できるだけ本場のロシア語を理解し、また使うようにすべきである。」「現在最もよく使われているものを精選して、それに的確な日本語訳をつけ、分かりやすいよう例を挙げて、読者が熟語・慣用句の意味を正確に把握するばかりでなく、自分で活用できるようにした。」「用例は身近な現代生活をテーマとし、会話や短文の形でかかげたので、ロシア語知識水準の如何にかかわらず、面白く用例を読みながら、熟語・慣用句の使い方を身につけられるようにした。」

『アネクドートに学ぶ実践ロシア語会話』[N887-52]の「第2章何を読むべきか」(2)慣用句においても「慣用句について日本語で説明している現在入手可能な唯一の辞典。座右の書として欲しい。」とあります。一度この辞典を"読んで"みませんか?

2007年9月21日(達)