2007.10.05

おすすめ資料 第45回国語辞典を引こう

『日本国語大辞典』 小学館初版全20巻 1972-1976 [N813.1-R=4=1~20] 第2版全13巻+別巻 2000-2002 [N813.1-R=47=1~13, II]<リンクなし>

日本国語大辞典は全20巻におよび、日本語の辞典としては最大規模のもので、通称「日国」といいます。国文学専攻のゼミなどでは、教授から「辞書は引いた?」と尋ねられたらそれは、日国を引いたか、と尋ねられたのと同じことを意味するくらい重要で、必要不可欠な辞典です。

日国の特色は、豊富な例文の掲載にあります。ためしに「ある」を引いてみます。語釈とともに、古今の文献から「ある」を用いた例文を引用して、実際の文脈における「ある」の使われ方を示しています。「ある」の解説だけでほとんど1ページを使っています。

方言と語源説が掲載されていることも特色のひとつです。ことばの意味はひとつではなく、文脈によっても、地域によっても変わってくることを教えてくれます。語源もいくつかの「語源説」を掲載することで、そのことばの成り立ちについての理解を深められるようになっています。

とはいえ、普段の生活でちょっとこの単語の意味を確認したい、という場面に日国を引く必要はおそらくないでしょう。1巻ごとのボリュームはかなりのもの。日国を引くには、ことばの意味を文脈から確実に捉えようという意欲が要ります。秋の夜長に、じっくり日本語と向き合いたい方、ぜひ挑戦してください。

2007年10月5日(永)