2007.12.21

おすすめ資料 第55回お目覚めはいかが?~朝の気分を詩と写真で味わう

谷川俊太郎文・詩吉村和敏写真『あさ』アリス館 [N911.5-52]

谷川俊太郎さんの詩と吉村和敏さんの写真からなる詩集です。左から開くと見開きいっぱいの写真と短い文章からなる絵本、右から開くと朝をテーマにした詩と挿絵(写真)の入った詩集、というつくりになっています。

詩集の内容は谷川俊太郎さんが過去に上梓した詩集から、朝をテーマにした作品を集めたアンソロジーです。テレビCMなどで使われたことのある「朝のリレー」も収録されています。ただ明るいだけでなく、希望と不安の交錯した朝の情景が繰り広げられています。

どちら側から読んでも楽しめますが、まずは詩集で谷川さんの描く朝にじっくりと浸り、その後で絵本を開くのが筆者のおすすめです。絵本の側には、輝くばかりの朝の写真が続きます。夜の闇が破られて地平線がオレンジ色に明るみ出す夜明けから、白い雲のたなびく青空の下の洗濯物、すがすがしい朝の空気まで伝わってくるようです。 谷川さんのあとがきから一文、ご紹介します。

「よがあけて、あさがくるっていうのは、あたりまえのようでいて、じつは、すごくすてきなことだから。」

寒くなり朝がつらく感じられる日が続くようになっても、こう考えられたら布団から出るのも少し楽になる・・・、かもしれません。

2007年12月21日(永)