おすすめ資料 第75回外国語で読む『源氏物語』 その2 スペイン語

『源氏物語』のスペイン語版は、抄訳も含め現在4種類刊行されています。当館ではそのうちの3種類を所蔵しています。いずれも英訳からの重訳です。

1)は初のスペイン語訳です。フェルナンド・グティエレスによる訳で、「桐壺」から「葵」までの9帖のみ収録されています。1941年に初版が刊行され、 1992年に復刊されました。その後出版社を変えながら刷を重ねています。英訳ウェイリー版(1925-1933)を底本としながら、仏訳キク・ヤマタ版 (1928)を参考にしたとされています。

2)はハビエル・ロカ=フェレールによる訳で、デスティーノ社から2005年から2007年にかけて刊行されました。底本は英訳ウェイリー版です。「esplendor(絶頂)」と題した第1巻(「桐壺」から「藤裏葉」まで)と「catastrofe(破局)」と題した第2巻(「若菜(上)」から「夢浮橋」まで)で構成されています。解説および登場人物紹介も収録されています。初版・改訂版が刊行されており、当館ではいずれも所蔵しています。

3)はホルディ・フィブラによる訳で、アトランタ社から2006年に出版されました。英訳タイラー版(2001)が底本です。「桐壺」から「雲隠」まで収録した第1巻と、「匂宮」から「夢浮橋」まで収録した第2巻からなります。英語版と同様に注釈・図版が豊富です。

このほか1977年にマヌエル・タバレスによる「夕顔」の抄訳"La fugitiva de Chujo"が刊行されています(当館未所蔵)。

2008年10月17日(飯)