2008.11.07

おすすめ資料 第76回外国語で読む『源氏物語』 その3 ロシア語

Мурасаки Сикибу ; перевод с японского Т. Соколовой-Делюсиной Повесть о Гэндзи : Гэндзи-моногатари Наука [露9133年6月1日~5]

当館所蔵のロシア語版『源氏物語』≪Повесть о Гэндзи≫は、ロシアで有名な東洋学者タチヤナ・ソコロワ-デリューシナさんによって翻訳されました。彼女は源氏物語だけでなく、世阿弥の謡曲、松尾芭蕉といった古典文学、俵万智、中上健次、島田雅彦といった現代文学まで幅広く翻訳活動を行っています。

完訳版『源氏物語』≪Повесть о Гэндзи≫が完成するのに15年の歳月が費やされました。この翻訳の功績が認められ、翻訳者のソコロワ-デリューシナさんは平成5年には国際交流基金より国際交流奨励賞を受賞しています。

展示の5冊は本編4冊、付録1冊から構成されています。本編は本文のない第41帖「雲隠」を除いた54帖すべてが順に収められています。付録には平安時代の時代背景、社会、生活、文化などについて解説されています。本文をよりよく理解するために、この付録を最初に読むことが推奨されています。

ちなみに、本学教員であるリュドミーラ・エルマコワ先生も『源氏物語』翻訳に際してアドバイスなどで援助をした一人で、謝辞の中に名前が挙げられています(第1巻、5ページ)。

参考サイト:
国際交流基金サイト・国際交流基金賞 ...国際交流奨励賞の受賞者一覧が載せられています。
タガンカ劇場公式サイト(ロシア語) ...タチヤナ・ソコロワ-デリューシナへのインタビュー記事です。

2008年11月7日(則)