2009.05.16

おすすめ資料 第88回 FM番組から産まれた未来に残したい文学遺産案内

入学から一ヶ月がたって少しは大学生活にも慣れ、受験勉強から開放されて時間の余裕も出来たので、今まで読めずにいた本を、さぁ読むぞと意気込んでおられる方も多いかと思いますが、そんな方々への色んな意味でやさしい読書案内の本をご紹介します。

『博士の愛した数式』で読売文学賞を受賞した作家の小川洋子さんが、毎週日曜のブランチタイムにFM放送でされた話を新書化したものですが、ソフトな語り口のなかに練達の小説家としての見方が随所に出ていて、季節に沿った構成とともに、興味深い案内になっています。また、番組のなかで流された曲名一覧も付いていますので、取り上げられた作品との関係を想像してみるのも面白いかもしれません。

そしてもう一冊、ちょっとマニアックなラインナップの最新刊『小川洋子の偏愛短編箱』(河出書房新社)[N913.6-536]は、小説好きの上級者(?)を自認する方へのおすすめ本です。読んだことのある作品ももちろんあるでしょうが、小川さんとともに読み直してみると、きっと新たな発見があると思いますよ。

2009年5月1日(牛)