2009.06.19

おすすめ資料 第91回 星空から文学に出会う

野尻抱影著『星空のロマンス』 (ちくま文庫) 筑摩書房 [N080-29-25-3-2]

星をこよなく愛し、その和名(方言)を集め、天文ファンの裾野を広げたといわれる、野尻抱影(1885-1977)の星座随筆アンソロジーです。

この『星空のロマンス』は、「星を語る」「星座風景」「星座春秋」「星」を底本とし、本に載っていなかった戦後の新稿を加えまとめられたものです。
1989年に筑摩書房より「野尻抱影の本」(全四巻)の第一巻『星空のロマンス』として刊行され、さらに、ちくま文庫として1993年に出版されたものが、当館所蔵のものになります。

星々にちなんで、シェイクスピアの「ヘンリー四世」、テニスンの「除夜」、エマースンの散文に、李白の漢詩や「三国志」。「ねのほし・ひとつ星・めあて星」といった星の和名。

英文学、ギリシャ・ローマ神話にとどまらず、国文学、漢籍、漢詩、漢文、仏典、エジプトなどなど。縦横無尽に星のロマンスが語られています。

2009年は、ガリレオ・ガリレイが星空を望遠鏡で観測してから400年の国際天文年。今年は、星から文学に出会ってみませんか?

2009/6/19(古)