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2019年4月 5日

2019年度宣誓式・入学式を挙行しました

4月5日、511人の新入生を迎えました。

新入生は、久元喜造神戸市長から祝辞をいただき、教員、先輩をはじめ多くの方々から祝福を受け、本学学生としての大学生活をスタートさせました。

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新入生代表からは、「本日、わたしたちは神戸市外国語大学に入学することができました。これからの4年間、外国語をはじめ、さまざまな社会や文化の学習を通して、優れた国際感覚を身につけ、『行動する国際人』として21世紀のより良い社会づくりに貢献できるよう努力いたします。」と力強い宣誓があり、式典後には指導教員や事務局からのオリエンテーションがありました。

ここに、指学長の式辞を紹介します。

学長式辞

新入生の皆さん、神戸市外国語大学 入学 おめでとうございます。
別室でご参観の保護者のみなさま、本日は誠におめでとうございます。

本日、大学院に50名、学部に461名の入学者をお迎えすることになったことを、教職員一同、うれしく感じております。

また、本日多忙の中、ご参列下さいました、神戸市長の久元喜造様をはじめ、ご来賓の皆様に御礼申し上げます。誠にありがとうございます。

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さて、神戸市以外の町から来られた新入生の皆さんも多いかと思いますが、神戸をイメージする色といえば、何色を思い浮かべるでしょうか?
アンケートなどでは、港・海の印象から青色と答える人が多いようです。
しかし、今壇上に掲げられております市旗の色は緑色ですし、市章も緑で記すのが公式です。地下鉄の色も緑です。

神戸で緑といえば、多くの人が六甲の山並みの色を想起されます。阪神淡路大震災の際、六甲山の緑を見て、癒やされたという声も紹介されています。本学の校歌も「武庫山の裾野の丘べ」という歌詞で始まります。武庫山というのは六甲山の古い呼び名で、江戸時代に、武=六、庫=甲を宛てて書いたのが、音読みされて「ろっこう」となったようです。

六甲山は神戸の産業とも結びついています。神戸は「真珠の街」で、世界で流通する真珠の約7割が(選別や加工のため)神戸に集まってくるのだそうですが、「なぜ神戸に?」「真珠と六甲山?」と意外に思われるかもしれません。真珠の色や輝きを選別するのには、六甲山に反射して北から間接的に入る日の光が最適なので、神戸港が真珠輸出の拠点となりました。

なにより、六甲といえば、「六甲おろし」という言葉を思い浮かべる方も多いかもしれません。
これは、六甲山から吹き下りる強い風のことです。とくに冬の冷たい風は、雑菌の繁殖を防いでくれ、灘の酒造りを支えた重要な要素でした。

ですから、六甲の山から海へ向かって吹く風は、神戸と切り離すことができないものです。
私も日々、山から海へ向かう風に乗って、雲が流れて行くのを見るのが好きですが、今日来賓としてお越しいただいています、久元市長の公式ウェブサイトのタイトルも「神戸上昇気流」と、やはり風にちなんで命名されています。

風は、帆船が主であった時代、外の世界とつながるためには、不可欠でした。風がなければ、船は動きません。
神戸が鎌倉時代から日本随一の港町として、国際交易の拠点として栄えたのは、風のおかげであったともいえます。
幕末には、船の操作を学ぶ施設(「神戸海軍操練所」)が置かれ、勝海舟や坂本龍馬が活動しています。
神戸の市章も、神戸の旧仮名表記である「かふべ」のカタカタの「カ」を扇型に広がる港の形にデザインしたものです。

進取の精神あふれた港町として、早くから海外に目を向け、世界の風を感じていた神戸の地に外国語大学があるというのは、神戸の歴史の必然といって良いかもしれません。

今年2019年は、本学が大学になって70年の節目の年に当たります。外事専門学校としての本学の創立はそれより早く、今年で創立73年になるのですが、現在の大学制度の下での大学になったのが1949年、70年前のことです。このとき、全国に新制大学が生まれました。その中で、「外国語大学」としてスタートしたのが、東京、大阪、神戸の3つの外国語大学です。

みなさんは、「外国語大学」という名称に馴染んでおられるので、ああそうですか、としか思われないかもしれませんが、「外国語大学」という名称は、このとき誕生しました。つまり、本学は、最初の外国語大学のひとつです。神戸には、日本で初めて、ということがたくさんありますが、外国語大学もそのリストに入る資格があると思います。

それまでは存在しなかった「外国語大学」ですから、その名称には、外大ならではの特徴、建学の精神が込められています。そのヒントは、本学の英語表記Kobe City University of Foreign Studiesに潜んでいます。「外国語大学」なのにforeign languages ではありません。

当初、(現在の文部科学省である)文部省は、単に外国語を習得するだけの外国語学校は、学問を究めることを目的とする「大学」ではない、として外事専門学校の大学昇格には否定的でした。それに対して、東京・大阪・神戸の3つの外事専門学校は、そうではない。外国語の修得を通じて、世界の社会や文化を広い視野から探究すること、すなわち foreign studies「外国学」研究が目的であり、大学にふさわしい学問であると主張して、大学昇格を実現しました。

この「外国学」「外国研究」という考え方は、当時まだ新しいものでした。つまり、最新の学問動向を敏感に受け止め、大学の理念にふさわしいものとして採用したわけです。

そのままなら、名称を「外国学大学」とすべきだったのかもしれませんが、発音しにくいということで、日本語では「外国語大学」に落ち着いたようです。ただ、その名称のせいか、いまだに外国語修得をもっぱら目的とする学校という誤解があります。しかし、本学の教育が目指すのは、世界を見渡す視点から、言語、文化、社会に関する学問を修めて、社会の様々な分野で活躍できる人材を育成することです。それは外国語大学の建学の基本なのです。

「世界と神戸をつなぐ」、ということを本学は大学の目標に掲げています。その成果は、最近世間の注目を集めている大学ランキングにも表れています。つい先週、発表されたばかりですが、イギリスのTimes Higher Educationの「世界大学ランキング日本版」では、国際性の項目で6位という評価をいただきました。日本全国の700以上の大学が競う中での6位ですから誇って良いと思います。

この高評価を支えてくれているのが、皆さんの先輩が築いてきた、前向きに真摯に学問に向き合う姿勢、大学を良くしてゆこうという心意気、そして積極的に海外へ出てみようという意欲です。そうした積極性・自主性が、本学の魅力を支えてくれています。

さきほども言いましたように、 神戸には風が吹いています。

世界へ向かって風が吹いています。

皆さんもこの神戸で風をつかまえて、先輩たちに倣って、世界に羽ばたいて欲しいと思います。私たちは、それを学問の力でサポートしたいと思います。そして、今日から本学の一員となられるみなさんと一緒に、世界に誇れる、魅力ある神戸市外国語大学を作り上げていきたいと思います。このことをお約束して、わたしの式辞といたします。

入学、おめでとうございます。

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