2017年8月28日

2016年度の業務実績評価(神戸市公立大学法人評価委員会)について

本学は2007年4月に公立大学法人となり、毎年度、中期計画(6か年)の進捗について、神戸市公立大学法人評価委員会の評価を受け、結果を公表されることとなっています。

8月14日に、2016年度の業務実績評価を受け、全体として「順調に進捗している」との結果となりました。特に高度な外国語運用能力と幅広い知識に基づく実践的な発信力の強化、神戸市の国際交流事業などへの支援、創立70周年記念事業の企画及び実施の3項目で、「S(特筆すべき進捗)」と高い評価を受けました。

2017年度は、第2期中期計画期間の5年目にあたり、中期計画の確実な遂行を目指して、個性的で魅力ある大学づくりを進めます。

平成28年度公立大学法人神戸市外国語大学の業務実績に関する評価結果(抜粋)

全体評価

平成28年度は第2期中期計画の4年目として、理事長のリーダーシップのもと役員・教職員が一体となり、中期目標および中期計画の確実な達成に向けて、種々の大学改革と自律的・効率的運営に取り組んだ結果、主に次のような成果が認められた。

 「国際的に通用する人材の育成」の項目では、平成28年度の特筆すべき実績として日本初の模擬国連世界大会(平成28年11月20日~26日)の開催と成功が挙げられる。他国外交団として討議主体に加わるだけでなく、大会の運営スタッフとして、また周辺を支えるボランティアとして多数の学生が参加したことで、中期目標の中項目のひとつである「高度なコミュニケーション能力の養成」に大いに資するものと評価できる。
 そのほかにも、学生の要望に応える形で図書館の開館時間延長や試験期間中の日曜開館など、学生の学修環境を充実させた。また、開かれた大学院教育の一環として社会人プログラム制度を導入して社会人御受け入れ体制を整えたほか、小規模大学の特性を活かした個別相談などにより引き続き高い就職内定率を維持している。

 「高度な学術研究の推進」の項目では、科学研究費補助金の説明会や獲得支援の勉強会を開催したほか、使途に関してもアドバイジング窓口により継続的な支援が行われており、大型科研費の新規申請件数増加につながっている。
 また査読制度を着実に実施したほか、ひとつのテーマについて教員と学生が区別なく自由に議論する「コモンズ・トーク」を開催するなど、風通しの良い学内の醸成に取り組んでいる。
 そして 28 年度も海外大学との学術提携が新たに締結され、大学内外での研究活動の場は一層広がっている。

 「地域貢献」の項目では、市民の学習意欲の高まりに応じ図書館の市民利用期間をさらに拡充したほか、小中高校の現職教員の英語指導力向上を図るための支援や市内地元小学生による外大訪問を通じた小学校との英語活動支援連携など、大学が持つ知的資源を様々な形で地域社会に還元する取り組みが行われている。
 また、27 年度より学生が神戸市交通局で開催した英会話教室が好評だったことから、28 年度は英語に加え中国語の会話教室も新たに開催するなど、神戸市の外国語大学ならではのユニークな地域貢献活動が展開されている。
 さらに、市内で開催される国際会議のレセプションへ通訳ボランティアを派遣することで、語学力を生かしたボランティア活動支援と「国際都市神戸」への貢献とを同時に図っている。

 「国際交流」の項目では、交換協定大学を増やし留学促進を積極的に図った結果、派遣した学生数が過去最多を更新した。
 また、ケンブリッジ大学英語検定機構認定試験センターと、国内で初めて協定を締結したことにより、学生に学内での受験機会を提供するなど、学生の海外留学のニーズに対応している。
 外国人留学生の受け入れについても、留学生向け住宅の法人借り上げを引き続き行ったほか、複数の日本人学生が留学生の生活をサポートする「JLP パートナー制度」を継続して実施するなど、ハード・ソフト両面からの支援充実に取り組んでいる。

 「柔軟で機動的な大学運営」の項目では、学内に改革推進委員会を設置し、中長期的な大学づくりの議論を行っている。また、事務改善の一環として職員提案を実施したほか、27 年度に設置した IR 担当副学長の下に新たに IR 担当教員を配置し、大学データの蓄積と活用に努めている。
 さらに、学生だけでなく固有職員も英語能力を高めるため、職員の資格取得や自己研鑽への支援を充実させるなど人材育成対策を行った。
 加えて、施設の外部貸付や寄附の積極的な呼びかけを通じ自己財源の確保を図ったほか、28 年度に任命した広報専門官を中心として模擬国連世界大会の開催を世界に発信し、広報効果を上げている。創立 70 周年を記念した事業も各種開催した。

 なお、昨年度に当評価委員会において指摘した主な事項については、法人に対し次のとおり確認した。

  • 教員免許取得者数が目標を下回っていることについては、28 年度も 27 年度と同様、就職活動時期と教育実習時期が重なったことから、教職を第一志望とする学生しか教育実習に参加できない状況である。
    一方、教員採用試験受験者数に占める教職就職者数(教員就職率)は、27 年度は 70%(採用試験受験者数20名のうち教職就職者数 14 名)であったものが 28 年度は 78%(同 18 名のうち同 14 名)と向上しており、真に教員になりたい学生が教職についている割合は高まっている。
  • スクールサポーターおよびイングリッシュサポーターの派遣学生数が目標を下回っていることについては、
    ・スクールサポーター:配置先の 8 割が小学校である一方、学生の教員免許取得希望者は中高免許であり、ニーズにミスマッチが生じている。
    ・イングリッシュサポーター:大学に対する派遣要望そのものが減少しているため、派遣学生数も減少している

 以上の事情により、目標未達はやむを得ないものと考えられる。

 このような取組状況を踏まえ、総合的に評価した結果、中期目標・中期計画の達成に向けて順調に進捗していると認められる。
 第 2 期中期計画の着実な達成に向け、PDCAサイクルを確実に実行し自律的・効率的な大学運営を行い、社会の様々な分野で活躍できる「行動する国際人」を養成するため、神戸市外国語大学の伝統を活かして、魅力ある大学づくりに引き続き取り組まれたい。

  

項目別評価(略)


経営企画グループ 企画広報班 TEL: 078-794-8104