2018年8月21日

2017年度の業務実績評価(公立大学法人神戸市外国語大学評価委員会)について

本学は2007年4月に公立大学法人となり、毎年度、中期計画(6か年)の進捗について、神戸市が設置する公立大学法人神戸市外国語大学評価委員会の評価を受け、結果を公表されることとなっています。

7月2日に、2017年度の業務実績評価を受け、全体として「順調に進捗している」との結果となりました。特に高度な外国語運用能力と幅広い知識に基づく実践的な発信力の強化、就職支援の拡充、語学教員等の輩出の3項目で、「S(特筆すべき進捗)」と高い評価を受けました。

2018年度は、第2期中期計画期間の最終年度にあたり、中期計画の確実な遂行を目指して、個性的で魅力ある大学づくりを進めます。

2017(平成29)年度公立大学法人神戸市外国語大学の業務実績に関する評価結果(抜粋)

全体評価

 平成29年度は第2期中期計画の5年目として、理事長のリーダーシップのもと役員・教職員が一体となり、中期目標および中期計画の確実な達成に向けて、種々の大学改革と自律的・効率的運営に取り組んだ結果、主に次のような成果が認められた。 

 「国際的に通用する人材の育成」の項目では、2017 年度の特筆すべき実績として模擬国連世界大会の 2020 年秋季大会の再誘致に成功したことが挙げられる。前回の大会でも他国外交団として討議主体に加わるだけでなく、大会の運営スタッフとして、また周辺を支えるボランティアとして多数の学生が参加するなどしており、学生の国際感覚を高める機会を提供するとともに、世界に向けての情報発信を行う機会を得ることができる点で、中期目標の中項目のひとつである「高度なコミュニケーション能力の養成」に大いに資するものと評価できる。
 そのほかにも、学生の要望に応える形で図書館の試験期間中の日曜開館の実施や 4 年生の貸出冊数の増加など、学生の学修環境を充実させた。また、開かれた大学院教育の一環として社会人特別選抜入試を実施し、社会人の学び直し等のニーズに対応したほか、インターンシップ単位付与制度を創設した。さらには、キャリアサポートセンターによる個別相談指導などのきめ細やかな対応等により引き続き高い就職内定率を維持している。

 「高度な学術研究の推進」の項目では、科学研究費補助金の説明会や獲得支援の勉強会を開催したほか、申請アドバイジング窓口の設置により継続的な支援が行われており、大型科学研究費の新規申請につながっている。
 また、研究成果物出版助成制度の導入により、教員の研究成果等を出版できる機会の拡充を図ったほか、ひとつのテーマについて研究分野の違う教員と学生が区別なく自由に議論する「コモンズ・トーク」を開催するなど、風通しの良い学内の醸成に取り組んでいる。
 その他、2017 年度も海外大学との学術提携が新たに締結され、大学内外での研究活動の場は一層広がっている。

 「地域貢献」の項目では、市民の学習意欲の高まりに応じ図書館の市民利用期間をさらに拡充したほか、市内小中高校の現職教員の英語指導力向上を図るための支援や、地元小学生による外大訪問を通じた小学校との英語活動支援連携など、大学が持つ知的資源を様々な形で地域社会に還元する取り組みが行われている。
 また、新たに教職支援センターを設置し、教職を志望する学生向けに面接対策や模擬授業などのきめ細やかな相談支援を実施することで高い教員就職率を維持するとともに、卒業生がグローバルティーチャー賞を受賞するなど、質の高い教員も輩出している。
 さらに、学生による神戸市交通局での英語・中国語会話教室の開催や、市内で開催される国際会議のレセプションへの通訳ボランティアの派遣など、語学力を生かしたボランティア活動支援と「国際都市神戸」への貢献を同時に図っている。

 「国際交流」の項目では、交換協定大学の提携更新により多くの交換協定先を確保した結果、長期留学者数が増加するなど多くの学生の派遣に繋がった。また、海外留学に関する危機管理サービスの運用を開始するなど、安心して留学するためのサポート体制の充実を図っている。
 外国人留学生の受け入れについても、留学生向け住宅の法人借り上げを引き続き行ったほか、複数の日本人学生が留学生の生活をサポートする「JLP パートナー制度」を継続して実施するなど、ハード・ソフト両面からの支援体制を充実させることにより過去最多の留学生を受け入れた。

 「柔軟で機動的な大学運営」の項目では、新たに非常勤の副理事長を任命し、ガバナンスの強化を図ったほか、IR に関する業務を行う企画委員会の設置や IR 担当教員の増員など、大学データの蓄積と活用に努めている。
 さらに、大学全体の運営を視野に入れた業務遂行を行う職員を選考するため、4 級昇任選考を実施するなど人材育成対策を行った。
 加えて、施設の外部貸付や寄附の積極的な呼びかけを通じ自己財源の確保を図ったほか、理事長直轄の広報戦略会議を立ち上げ、迅速な意思決定の仕組みを構築するなど、情報発信機能の強化にも取り組んでいる。

 なお、昨年度に当評価委員会において指摘した主な事項については、法人に対し次のとおり確認した。

  • 図書館の入館件数が目標を下回っていることについては、2014 年度にラーニングコモンズを設置したことから入館件数が飛躍的に伸びたが、2015 年度に学内にスチューデントコモンズが設置され、学修スペースとしての利用が図書館とスチューデントコモンズに分散されたことから入館件数が減少している状況である。2015 年度から減少していた貸出冊数は、2017 年度は増加している。

  • 教員免許取得者数が目標を下回っていることについては、就職活動時期の前倒しや教育実習時期が重なったことによる学生の負担が増えていることから、教職を第一志望とする学生しか教員免許を取得することが難しい状況である。
     一方、教員採用試験受験者数に占める教職就職者数(教員就職率)は、2016 年度は 78%(採用試験受験者数 18 名のうち教職就職者数 14 名)であったものが 2017 年度は 88%(同 16 名のうち同 14 名)と向上しており、真に教員になりたい学生が教職についている割合は高まっている。

  • スクールサポーターおよびイングリッシュサポーターの派遣学生数が目標を下回っていることについては、スクールサポーターは配置先の 8 割が小学校である一方、学生の教員免許取得希望者は中高免許であり、ニーズにミスマッチが生じている。また、イングリッシュサポーターは大学に対する派遣要望そのものが減少しているため、派遣学生数も減少している。

 以上の事情により、目標未達はやむを得ないものと考えられる。

 このような取組状況を踏まえ、総合的に評価した結果、中期目標・中期計画の達成に向けて順調に進捗していると認められる。
 第 2 期中期計画の着実な達成に向け、PDCA サイクルを確実に実行し自律的・効率的な大学運営を行い、グローバル社会の様々な分野で活躍できる「行動する国際人」を養成するため、神戸市外国語大学の伝統を活かして、魅力ある大学づくりに引き続き取り組まれたい。

  

項目別評価(略)


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