2007.02.02

おすすめ資料 第10回シソーラスを使う

Roget's international thesaurus 6th ed. [N833.5-R-54]

シソーラス(thesaurus)の存在を知ってはいても、日常的に利用している方はあまり多くないのではないでしょうか。シソーラスが一般的な辞書と大きく異なるのは、ことばを(アルファベットなど文字によるのではなく)意味によって分類し、配列したものであるという点です。純粋な「ことばのリスト」であり、各項目に語義・用法などの説明はありません。列挙された類義語の微細な意味の違いを知りたければ、別に英英、英和などほかの辞書にあたる必要があります。このため、英語をある程度使える人にしか使いこなせないものとされています。

しかし、シソーラスは使い方によって英語学習、特に語彙を増やすのに役立ちます。たとえば「きれい」と表現するのに、その対象や程度や、あるいは状況によってbeautifulではない別のことばを使いたいときがあります。そんなとき、自分の持つイメージに近いほかのことばをシソーラスで探せます。それはprettyかもしれないし、exquisite、それともgorgeousかもしれません。シソーラスでできるのは「ことばを選ぶ」ということなのです。

「ロジェ」は最初にシソーラスを作った人物 (Roget, Peter Mark, 1779-1869)の名前に由来し、シソーラスの代名詞となっています。thesaurusということばはもとはギリシャ語で、treasureと同じ語源とのこと。今まで触れたことのない方も、一度この「宝庫」を覗いてみてはいかがでしょうか。

2007年2月2日(橋)