2010.12.03

おすすめ資料 第118回 世代について考える

アメリカでは1977年1月から1997年12月までに生まれた世代をネット世代、またはジェネレーションYと称します。皆さんの多くが属するこの世代は、幼い頃からあるいは物心付いた時からコンピュータに触れ、インターネットに親しみ、あらゆるデジタルテクノロジーに囲まれて育った世代として、デジタルネイティブとも呼ばれます。彼らは、日進月歩のデジタルテクノロジーの世界で、あたかもペンや紙を扱うように新たな技術やデバイスを使いこなすことから、様々な分野で注目されています。しかし一方では、自己中心的、読書離れ、政治への無関心、コミュニケーション能力の低下など、悲観的な意見も存在します。

皆さんは、世代という尺度で自身を見つめたことがあるでしょうか。本書は、ネット世代より年長の世代を対象に書かれたものであり、彼らがネット世代への理解を深める手助けとなる良書ですが、一方でネット世代にとっても、自分たちが年長の世代からどのように理解されているのか、また他の世代とどのように異なるのかについて考えるきっかけになると思います。それは結果的に、個人あるいは世代としての存在意義を確立し、異世代間コミュニケーションの円滑化に繋がるのではないでしょうか。

本書は、総額400万ドルをかけて12か国、一万人にインタビューを行ったリサーチプロジェクト「The Net Generation: a Strategic Investigation」の調査結果を元に纏められたものです。

2010年12月3日(鶴)