2011.04.01

おすすめ資料 第122回 「できない」数学

みなさんは「数学」にどういうイメージをお持ちですか?
数学からはもっとも縁遠いと思ってしまいそうな本書のタイトルですが、数学者が取り組んでいる問題には解がないこともあります。そして、解決不可能だとわかることは、それまでの努力が無駄になるのではなく、別の新しい発見につながっているのだそうです。自然科学だけでなく社会科学の分野でも、数学によって「できない」が証明されたおかげで、様々な成果が生まれました。

できないことが明らかになって、どのような発見が生まれたのか、そして、それでもなお解決できない限界とは。
著者の知見は数学だけにとどまらず幅広い分野に及んでおり、本書では「できない」定理をはじめ、数学の様々な定理がユーモアをまじえた実例によって分かりやすく紹介されています。

文中では数式がいくつか登場しますが、数学に苦手意識をもっている筆者でも興味深く読むことができたのでご安心を。もちろん理解できればより楽しめるので、苦手意識のない方はぜひじっくり読んでください。

苦手な方もそうでない方も、数学に対して親しみを持つことができる1冊です。

2011年4月1日(谷)