2007.07.20

おすすめ資料 第34回中国語の"量詞"を使いこなす

邱,奎福 『イラストで学ぶ中国語量詞ハンドブック』 アルク [N825.2-1]

※おことわり
本稿では、日本語の環境があれば読めるように、文字コードをJISのみにしています。そのため、中国語は日本語の漢字に置き換えた上で、"~"で囲って表記しています。又同じ理由で、ピンインの声調記号は省略しています。

0:概要

この本は、"量詞"、つまり中国語の助数詞を使いこなすための学習書です。テーマは、表紙に大きく書かれた「なんでも"一个"から卒業しよう」です。 尚、例文はほとんど載っていませんので、自力で簡単な中国語の文章を読んだり書いたりできる方以上が、本書の対象読者となります。ちなみに、"量詞"に的をしぼった中国語の学習書は、和書ではこの本が初めてです。

1:学習書として

各単語には次の7つが書かれています。「1:イラスト、2:日本語の名詞、3:中国語の"名詞"、4:"名詞"のピンイン、5:中国語の"量詞"、6:"量詞"のピンイン、7:日本語での説明」(一部例外があります。)

特長としては、よく使われる名詞にしぼって掲載していること、日本語と中国語を併記していること、イラストと説明を添えていること等です。これらの特長は、単に"名詞"と"量詞"の組合せを丸暗記するのではなく、読者がその"量詞"の意味や使い分け方をきちんと理解した上で中国語が使えるようになるための配慮と言えます。

特に「part2 数え方のイメージ」(p22-77)は、"量詞"を使う感覚を養う上でとても有用です。例えば、紙や切符などを数える"量詞"の"張"は、次のように書かれています。

"張" zhang
1. 紙などの平たいものを数える。枚
"紙" 紙、 "地図" 地図、 "照片" 写真、 "画儿" 絵、 "票" 切符
2. 平面を持つ家具を数える。脚。
"床" ベッド、 "沙発" ソファー、 "茶几" 茶卓
3. 口や顔を数える。
"嘴" 口、 "臉" 顔

実際には、説明の1~3はイラスト入りです。いかがでしょう。これなら、「"量詞"の"張"=平たい」というイメージが持てますし、"量詞"の"張"は「平たいものや、平たい部分を持つものを数える"量詞"」だ、ということが感じとれたり理解できたりするのではないでしょうか。

例文:"這里有十張六甲山的照片。"(和訳:ここに六甲山の写真が十枚あります。)

2:"量詞"の辞書として

この本は、"量詞"の辞書としても使えます。

"量詞"を調べる場合は、次の4つの方法が可能です。残念ながら、"量詞"と助数詞から調べる場合は、索引がありません。

  • 中国語の"名詞"から調べる (索引 p175-185) ※ピンイン順
  • 中国語の"量詞"から調べる (part2 p22-69)
  • 日本語の名詞から調べる (part3 p85-166) ※あいうえお順
  • 日本語の助数詞から調べる (part3 p80-84)

2007年7月20日(柿)