2007.11.16

おすすめ資料 第51回ロシア語の作文力をつける

藤沼貴著『ロシア語ハンドブック 』東洋書店 [N880.3-8]

以前にも引用しました「アネクドートに学ぶ実践ロシア語会話」[N887-52]の「第6章使えるいいまわし」の中にこうあります。「ロシア語の修行をするというのは、自ら砂山を築くのに似ている。上から砂をまいてレベルをあげようとすれば、自然に裾野は広くならざるをえない (中略) ロシア語を習得するというのは時間のかかることであるけれども、その見返りもまた大きい。物事一つを極めれば万事に通ずるものではないのだろうか。とにかくがんばってほしい。」これはどの語学にもあてはまるのではないでしょうか?

さて、今回ご紹介する「ロシア語ハンドブック」はロシア語のレベルアップにおおいに力を発揮するのではないかと思います 。著者は「研究社和露事典」[N883.22-R-14]の編者藤沼貴氏です。著者自身が「はじめに」で述べているように、「基本」「発展」「応用」の三段階にわかれているので、レベルに合わせて活用ができます。「表現・文法」編、「テーマ別語彙」編に構成がわかれているので、いろいろな角度からアプローチが可能です。「ミニ・ダイアローグ」は、生活、文化、情緒に密着させようとしているので、読み物としてもおもしろくなっています。

また、この本のための新作なので、「郵政民営化」のテーマまででてきます。「巻末」の語彙索引も便利ですので、「ロシア語作文・日本の風俗新版」[N886-15]の「主要語句の索引」や上記の「第6章使えるいいまわし」、「ロシア語通訳コミュニケーション教本」[N887-43]「ロシア語通訳教本」[N880.7-68]の中の語彙・表現を集めてオリジナル・辞書を作るのもいかがでしょうか?

「テーマ別語彙編」では「化粧品」「美容院」「環境問題」「釣り」等100以上のテーマで語彙や「表現」が載っています。「巻末」の語彙索引からでは引けない「表現」もたくさん載っています。ロシア語で「日記」を書く、ロシア語で「手紙」を書く、日本文化をロシア人に説明する「文章」を書く等、ロシア語作文のいろいろな場面で活用してみてください。

2007年11月16日(達)