2007.11.30

おすすめ資料 第53回 「ウェブ進化」によって人間はどう変わるのか

梅田望夫,平野啓一郎著『ウェブ人間論』(新潮新書193)新潮社 [N007.3-168]

インターネットが一般に普及して10年少々、インターネットが人間をどのように変えるかということにずっと興味があったと言う文学の世界に住む芥川賞作家と『ウェブ進化論』(ちくま新書)[N081=23=582]で一躍有名になったビジネスと情報技術の最先端にいるコンサルタントとの二度にわたる対談を以下の四章にまとめたのが本書です。

  • 第一章ウェブ世界で生きる
  • 第二章匿名社会のサバイバル術
  • 第三章本、ipod、グーグル、そしてユーチューブ
  • 第四章人間はどう「進化」するのか

教養に裏打ちされた鋭い洞察力と豊かな言葉による表現力を兼ね備えた文学者と常に物事を肯定的・前向きに捉え、時には自らの体験を交えて門外漢にもわかりやすく「ウェブの進化」を説明されるコンサルタント、視点の違う二人による議論に読者はいつの間にか引き込まれてしまいます。二人の底流にはタイトルが示すとおりの「ウェブ・人間論」とも「ウェブ人間・論」とも読める「ウェブ進化」によって変わりつつある社会と人間への興味が貫かれています。情報の洪水ともいえるウェブ時代をどう生きるのか、示唆に富んだ刺激的な議論にあなたも参加してみてはいかがでしょうか。

2007年11月30日(冨)