2008.02.08

おすすめ資料 第58回聖書の世界への入口

ロナルド・ブラウンリッグ著別宮貞徳監訳『新約聖書人名事典』東洋書林 [N193.5-R-4]

欧米の文化を学ぶのに、キリスト教の理解は避けては通れない道です。例えば有名な「サロメ」や「マグダラのマリア」は、文学・絵画の素材として繰り返し扱われ、現代の小説や映画にもしばしば登場します。彼女たちが、そもそも聖書の中ではどのように描かれているのか、疑問に思ったことはありませんか。聖書の解説書や事典は多く出ていますが、専門的なものが多く、ちょっと調べてみたいというときには気軽に手に取りにくいのではないでしょうか。 一般読者・学生向けをうたうこの事典の大きな特長は「場所と人物に関する予備知識はほとんど要求されない」(序文より)ことです。項目を人物にしぼることで全体のボリュームは抑えられていますが、著者が重要と考えている項目には多くのページを割いて、平易な文章で解説を加えています。聖書・福音書の世界をめぐる物語を読んでいるようでもあり、入門書としておすすめできます。 同じ出版社から『旧約聖書人名事典』[N193.1-R-6]も刊行されています。キリスト教用語全般については、コンパクトで使いよい参考図書として『岩波キリスト教辞典』[N190.3-R=14]をおすすめします。

2008年2月8日(橋)