2008.09.19
おすすめ資料 第73回現代中国を学ぶための第一歩
- 1) 愛知大学現代中国学部編 『ハンドブック現代中国』第3版あるむ [N302.22-261]
- 2) 高井潔司ほか編著『現代中国を知るための50章』第3版明石書店 [N302.22-264]
- 3)久保亨ほか著 『現代中国の歴史 : 両岸三地100年のあゆみ』東京大学出版会 [N222.077-80]
ここでは、現代中国について学ぶための入門書3冊をご紹介します。 例えば、最近のニュースを見ていて、次のような疑問をもったことはないでしょうか。
- なぜ、対中国ODAのことで、たびたび第2次世界大戦の戦後賠償の話が出てくるのだろう?
- なぜ、天安門事件(1989年)に対して、今でも強い規制が、報道・映画・ウェブサイト等でかけられるのだろう?
- なぜ、中国は、地域間・個人間で、経済格差があんなに大きいのだろう?
- 中国当局のチベットへの対応はなぜ?
- 中国の労働法が変わったから、日本の物価が一部で上がったって、どういうこと?
こういった事柄の経緯や背景を、上記1)~3)の図書で知ることができます。教科書やニュース報道だけでは分からない、中国の社会事情や歴史にふれてみてはいかがでしょうか。また、1)~3)のいずれも予備知識無しでも充分理解できるように書かれている上に、短い章・節で2-5ページ程度と文章量もコンパクトです。まずは目次を見てみて、興味を引かれた章・節から読んでみることをおすすめします。
1)は2)に同じく、現代中国社会の入門書です。歴史や政治・経済から、漫画・ポップスまでを幅広く扱っています。どの記事も、見開き2ページにまとめられているため、とても読みやすくなっています。
2)は1)に同じく、現代中国社会の入門書です。内容を政治・経済分野にしぼっているため、政治・経済については1)よりも詳細に書かれています。
3)は中国の近現代史の入門書です。1912年の中華民国成立から現在(2008年)まで、約100年間の中国史が非常にわかりやすくまとめられていて、近現代の中国の歴史を学ぶ上で最良のテキストといえます。冒頭で取り上げた「対中国ODA」や「天安門事件」についても、現在までの経緯・事情をより詳しく理解することができます。
2008年9月19日(柿)