2009.10.09

おすすめ資料 第98回 数字に潜むウソを見抜く

本書は、2000年に出版された『「社会調査」のウソ : リサーチ・リテラシーのすすめ』[N361.9-25]の続編です。前作では、導き出したい結果が得られるように細工された調査の手法や、データを読み解く能力の不足、または予断を持ったために起こった分析ミスの実例など、調査に潜む様々なウソが暴かれました。皆さんも既に、メディアなどで紹介されていることの全てが正しいとは限らないことをご存知だと思いますが、では、正しいプロセスで調査をするにはどうすればよいのでしょうか。

リサーチのプロセスの中でどのようにして誤りが生じているのかという実例紹介に力が注がれていた前作に比べ、本書では、実際の分析の手順と、各段階で気をつけるポイントの解説に頁が割かれています。また、著者は大学で教鞭を執っていることもあり、内容は大学生を対象としたものが多くなっています。研究に必要な能力として、社会調査のウソを見分ける能力である「リサーチ・リテラシー」が提唱されているのですが、本書を読めばその基礎的な力が身につくはずです。

さて、レポートで参照した調査結果、その数字は信頼に足るものでしたか?

2009年10月9日(谷)