2019年6月28日(金曜)、黒田龍之助客員教授による講演会を開催しました。
昨年に引き続き「外国語6月病」対策講座と銘打って行われた今回の講演会では、発音練習に焦点を当てたお話を伺いました。

講演会の中で示された黒田先生による「外国語の発音を良くするための処方」は次の3点です。
(1)発音の間違いを指摘してくれる先生に教わること。
(2)その先生が言語学・音声学の知識を持っており、正しい調音方法を的確に(音声学的に=解剖学的に)説明できること。
(3)外国語の特定の音声の発音がそれに類似した日本語の音声の発音とどのように違っているのかをその先生が説明できること。
つまり、ネイティヴ・スピーカーに習ったからといって、あるいは留学したからといって外国語の発音が良くなるわけではなく、良い指導者の元でひたすら努力するしかないということでした。

参加した約100人の学生・院生・市民が熱心に講演者の話に聴き入っていました。

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概要


日時:2019年6月28日(金曜)16時05分~17時35分
場所:神戸市外国語大学 第2学舎2階503教室
キャンパスマップ
対象:本学学生、本学院生、一般の方 ※事前申込不要です。
参加費:無料

講演会のチラシはこちら


講演内容:
昨年上梓した拙著『ロシア語だけの青春』(現代書館)で多くの読者が注目したのは、ロシア語学校ミールが目指した「音を作る」ことでした。外国語を学ぶ人なら誰だって、発音がよくなりたいと願うのは当然でしょう。しかし、ただネイティブと会話したり、留学したりしても決してうまくはなりません。反対に正しい方法で勉強すれば、日本で日本人に習っても上達します。今回は発音練習のポイントについてお話しします。

講師:黒田 龍之助氏

プロフィール

1964年生まれ。上智大学卒業。東京大学大学院修了。スラヴ語学・言語学専攻。2008年よりNHKのラジオおよびテレビのロシア語講座の講師を務める。東京工業大学助教授、明治大学助教授、フリーランス語学教師を経て、現在は神田外語大学特任教授。2019年4月より本学客員教授。

主な著書に『はじめての言語学』(講談社現代新書)、『ポケットに外国語を』(ちくま文庫)、『寝るまえ5分の外国語』(白水社)、『ぼくたちの外国語学部』(三修社)、『外国語を学ぶための言語学の考え方』(中公新書)、『ロシア語だけの青春』(現代書館)、『ニューエクスプレス・プラス ロシア語』(白水社)、『初級ウクライナ語』(三修社)など。

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