英米学科教授 光永雅明
ゼミで学ぶ醍醐味とは
私のゼミでは、主に歴史学の視点からイギリスの文化を研究しています。「歴史」というと「暗記」のイメージが強いかもしれません。しかしゼミではむしろ、学生が教員とともに資料を読み、あれこれ意見を出しあって、「考える」ことを重視します。その過程で学生たちの表情が大きく変わることがあります。資料の読み方が変わる瞬間とも言えます。「ともに考える」ことがもたらす驚きと喜び。その経験を重ねるのがゼミの醍醐味ではと思います。
語学を単なる会話や理解だけにとどめるのではなく、「ことばの科学」や「ことばの芸術」までに昇華させたいと思う人のためのコース。
「ことばの科学」とは単なる実用語学でなく、ある言語の体系や生い立ち、他の言語との関係などを客観的に捉えようとする研究領域で、言語を科学の対象として扱い、理解を深めるものです。
「ことばの芸術」とは、小説、戯曲、詩などの文学のことで、専攻する言語の精神はこれら文学作品に反映されています。形成される言葉ひとつひとつに込められた精神を原文で読み取り、芸術として味わうことを意味しています。
専攻する言語による文学史や語学概論といった講義を経て、ことばをその発生段階から科学し、発達した芸術として堪能します。本コースは、ことばのしくみ、背景、さらには思想などといった次元の高い研究により、最終的には言語、文学、文化について高い教養を身につけることを目指しています。
概要 | このコースは英語それ自体と英語が話されている国々の文化と多様な側面から掘り下げて学び、そのことによって、バランスのとれた高度な英語力と真の国際人にふさわしい教養とを身につけることが目的です。コースはさらに、二つのサブコースに分かれています。すなわち、英語をより深く理解する視点を養うとともに、体得した知識を実際の英語使用の場に応用する技術を学ぶ語学コースと、文学や歴史、社会など、英語圏の文化の諸相を「ことば」という表現手段を軸に包括的に学ぶ「文学コース」です。いずれのコースも、専門的な知識に裏打ちされたしっかりとした英語力の育成を目指しています。 | ||||||||||
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コースの特徴 | 各分野で活躍する日本人および英語ネイティブスピーカーの教員が、それぞれ専門の分野に関してバラエティー豊かな講義科目と少人数制の演習科目やゼミを多数開講し、丁寧に指導しています。英語の文献や音声・映像資料などを教材に用い、専門の知識を学びながら、高度な英語力が身に付きます。一方のサブコースで、ひとつの学問領域を深く研究することもできますが、両方のコースの科目をバランスよく選択して、包括的な英語の運用能力を高めたり、英語のしくみや英語圏の文化に関する幅広い知識を得るなど、学生の多様なニーズに対応できる充実したカリキュラムを備えています。将来英語を使う専門的職業(英語教育や通訳・翻訳)や大学院への進学を目指す学生にふさわしい、「英語」のプロを育てるコースです。 | ||||||||||
カリキュラムの概要 | 1、2年次には、文学史、英語学、英米の文化・歴史・社会に関する学科基礎科目を履修し、個々の学問分野の特質や基礎知識を身につけます。3年次以降は英米文学・文化および英語学関連のコース科目の中から各自の関心に沿って講義と演習とをバランスよく履修します。さらに各自がゼミに所属して、担当教員の指導のもと、テーマを定めて調査・研究を行い、卒業論文の作成に取り組みます。 | ||||||||||
科目紹介 |
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「メディア英語演習」ほか、英語教育・通訳など応用的な分野に関する科目も設置されています。
私のゼミでは、主に歴史学の視点からイギリスの文化を研究しています。「歴史」というと「暗記」のイメージが強いかもしれません。しかしゼミではむしろ、学生が教員とともに資料を読み、あれこれ意見を出しあって、「考える」ことを重視します。その過程で学生たちの表情が大きく変わることがあります。資料の読み方が変わる瞬間とも言えます。「ともに考える」ことがもたらす驚きと喜び。その経験を重ねるのがゼミの醍醐味ではと思います。
概要 | ロシア学科語文コースは、ロシアの言語、文学、文化を専門的に研究することによって、日本やその他の文化圏との比較においてロシアの文化風土の特殊性と共通性を明確に認識し、ロシアに対する理解を深めることを目指しています。 |
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コースの特徴 | 少人数教育を原則として、ロシア語学、ロシア文学、ロシア文化を理解するための基本概念を紹介し、それぞれについて丁寧に解説します。そして、知識を吸収するだけでなく、受講生が自ら問題を提起し、 それについて議論する機会を持ちます。 |
カリキュラムの概要 |
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科目紹介 | ロシア文学特殊講義では、ロシアの文学や精神活動の問題が扱われます。ロシア語学特殊講義では、現代ロシア語の構造、ロシア語の歴史、古教会スラヴ語などがテーマとなります。そして、ロシア文化特殊講義では、ロシアの文化と文学の歴史や日露交流史が主要な話題となります。さらに、ロシア語学演習、ロシア文学研究演習が用意されていて、ロシア語やロシア文学に関する概説書や論文を原文で読み、専門的な議論の方法を学びます。 |
国際化の進んだ現代社会では、日常生活の中でも異文化接触を避けることはできません。その際、物事を自文化の視点からのみ見て判断するのではなく、相手の文化の論理を理解しようとする姿勢が重要になります。このゼミでは、異文化について何かひとつ興味のあることをとことん調べ、それについて記述することを通じて、異文化理解の姿勢、「文化の翻訳」の方法を身につけることを目指します。ロシア文化をテーマとしたメンバーが多数を占めていますが、それ以外の地域を研究したい学生も歓迎です。
概要 | 中国学科語学文学コースは、中国語の基礎的な運用能力をふまえたうえで、さらに中国語そのものを言語学的、文学的に探究したいと思う人のために用意されたコースです。 中国語学は、たんなる実用語学のトレーニングではなく、中国語の歴史や特徴、方言、他の言語との関係などを客観的に考察しようとする研究領域であり、中国語という言語を科学的対象としてとらえ、理解を深めるものです。 中国文学は、主として中国語で書かれた小説・詩歌・評論・戯曲などを指します。文学作品を原文で緻密に精読・分析し、その魅力を解明することを目的とする研究領域です。 |
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コースの特徴 | 本コースは、計7名の中国学科専任教員が担当しています。その内訳は、中国語学が3名、中国文学が2名、文化人類学が1名、中国地域研究が1名です。 中国語学では、音韻・方言・語彙・文法などを主に学習、研究します。それぞれの分野について、現代語を対象とした研究、文献に基づく歴史的研究を進めることができます。また日本語・英語その他の言語との対照研究も可能です。文法史・語彙史研究のばあいは歴代の口語文献を資料とするので、歴史学・文学・文献学など周辺の専門知識も必要となります。また、共通語の成立などの言語政策に関わる研究テーマも射程に入っています。方言については、ネイティブの発音を聴き取りながら進める記述研究もおこないます。 中国文学に関しては、古典文学、近現代文学のいずれも選択が可能です。古典文学は、主には「白話」と呼ばれる口語文学作品を研究対象とします。また近現代文学については、清末から現代までを対象とし、具体的には小説・詩歌・評論などの様々なジャンルを包括します。したがって、中国の政治・歴史・思想・文化に関する幅広い知識を吸収するとともに、映画・演劇・テレビドラマといった隣接する諸ジャンルにも視野を広げる必要があります。なお、正統的な書きことばである「文言」=古典中国語による文学作品も、必要に応じて参照することが求められます。 文化人類学では、中国人の親族体系や冠婚葬祭、宗教儀礼、年中行事、その他諸々の風俗習慣を分析し、中国の文化的規範と個人の行動様式などに対する理解を深めることを目標としています。漢民族のみならず、少数民族をも含めた中国人の生き方、考え方に関心のある人に向いています。 中国地域研究の射程は、きわめて広範囲におよびます。ここでは、中国の歴史・社会・政治・地理・文化などに関連する様々なテーマを学際的に考察する研究方法を学ぶことができます。論の方法を学びます。 |
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カリキュラムの概要 |
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科目紹介 |
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私のゼミでは毎年4~5人のゼミ生を募集しています。テーマは中国における環境問題、人権問題などの社会問題と法との関わりを中心に、ゼミ生の関心に沿って決めていきます。3年次には基本文献の輪読、4年次には卒論の執筆指導を行います。
上記のほか、ゼミ生の希望がある場合、中国におけるゼミ合宿や他大学との合同ゼミなどをしています。去年の合宿は中国天津の開発区に行き、合同ゼミは一橋大学法学部と開きました。ゼミ合宿ではゼミ生が自ら中国人と中国語で意見交換しており、合同ゼミでは参考文献を多数引用したレベルの高い報告がなされました。教員もゼミ生から良い刺激をもらいながら楽しく進めています。
概要 | イスパニア学科の学生は、1~2年生の間に語学の基礎知識を培っています。3~4年生で語学文学コースを選択すれば、そうした基礎知識を発展させ、「ことばの科学」、「ことばの芸術」、「ことばの背後の文化」の研究をとおして、イスパニア語をより深く理解することができます。 |
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コースの特徴 | 「ことばの科学」とは、単なる実用語学ではなく、専攻する言語を科学の対象として扱い、言語の体系やその生い立ち、地域差、他の言語との関係などを客観的にとらえようとする研究です。「ことばの芸術」とは、小説・戯曲・詩などをさします。専攻する言語の精神は、何よりもこういった文学作品に反映されています。珠玉の名作を原文で鑑賞するというぜいたくこそ、このコースの醍醐味です。「ことばの背後の文化」とは、広大なスペイン語圏の豊かな文化(美術・音楽・映画・スポーツなど)をさします。翻訳ではなく原語の資料を用いて研究できるのが、イスパニア学科の学生の強みです。 |
カリキュラムの概要 |
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科目紹介 |
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このコースでは知的好奇心を強く刺激されるようなさまざまな講義を受講することができます。文学や歴史からはては映画など、幅広い事柄をスペイン語というルーペを通して好きなだけじっくり学ぶことで、自然と高いスペイン語力も身についていきます。
また、スペイン語を専攻する学生として、その言語自身の成り立ちや変遷、多言語との差異など、言語をツールに留めてしまわない学び方ができるのもこのコースの魅力です。