2022.04.01

【特別展示】 A JOURNEY ACROSS THE WORLD TO TAKE CHILDREN HOME

百年ほど前、ロシア革命の混乱を逃れた800人の子供たちを、ウラジオストクから2年半をかけて、親元へと届けた船がありました。船の名は「陽明丸」。サンクトペテルブルクで個展を開いた書・篆刻家の北室南苑氏を、その子供たちのひとりの子孫が訪ねたのをきっかけに、茅原基治船長が記した『赤色革命余話:露西亜小児團輸送記』が金光図書館(岡山県)で発見されました。アメリカ赤十字社の要請を受け入れたこの陽明丸の船主が、のちに神戸市長となる勝田銀次郎だということも、あまり知られていません。
 このたび、英訳された手記が本学図書館に寄贈されましたので、関連する資料とともに展示します。この史実だけでなく、港町神戸の歴史を知り、また、戦争などによって現在も発生し続ける難民問題を考えるきっかけとなれば幸いです。

○展示資料は以下のとおりです。

  • 『A JOURNEY ACROSS THE WORLD TO TAKE CHILDREN HOME』(ご寄贈いただいた手記の英訳)
  • 『赤色革命余話:露西亞小兒團輸送記』(金光図書館所蔵PDF)
  • 『神戸の歴史(神戸市紀要)』 第26号 -神戸開港150年記念-
  • 『陽明丸と800人の子供たち』 北室南苑編著
  • 『評伝 勝田銀次郎』松田重夫著 青山学院資料センター編集(中央図書館から借入)
  • 『勝田銀次郎と陽明丸事件』 辻雄史著(中央図書館から借入)
  • 『今日のソ連邦』(1989.3)(当館所蔵雑誌)

※展示期間:5月末まで

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