2023.06.02

おすすめ資料 第556回 ロシアとウクライナの血を引くドイツ語作家による「自伝的フィクション」

本書では、第二次世界大戦後のドイツで夭折したマリウポリ出身の
母の痕跡を探る娘の旅が描かれています。
訳者あとがきによれば、本書は、フィクションとしての小説でもなく、
かといって、完全に事実に依拠しているわけではないためノンフィクションでもありません。
しかし、既存の型に当てはまらないことが魅力であるとも述べられています。
当時のドイツで生きたウクライナ人の道程を知るもよし、新たな文学の型を
味わうもよし、いずれの目的でもおすすめの一冊です。

2023年6月2日(崎)