時代が大きく移り変わるなか、これまで世界を支えてきた秩序、体制が揺ぎ、新たな国際環境が生まれつつあります。絶えず変化する環境のなかで、それに応じた人材が社会に必要とされる一方、人文社会科学の価値も問い直される時期にきています。

本学では、こうした時代と社会の要請に応え、新しい知の体系の創造を担うことのできる幅広い学識と国際感覚を有する学術研究者・教育者、および高度専門職業人の育成を教育の基本方針とし、修士課程と博士課程を設置しています。

大学院入学者選抜試験では、人文社会科学の各分野における専門的知識を有するとともに社会が直面する課題に幅広い関心を持ち、国際的な場でも活動しうる外国語能力にすぐれた人材を求めます。

博士課程

人材育成の目的

人文社会科学の最先端をリードし、国際的に貢献できる研究者を育成することを目的として、学術的動向の第一線において独自の視点から問題の発見とその解決を行うための指導を行います。

求める学生像

1. 人文社会科学における最先端に立とうとする強い意思を持った人
2. 現在の学術的動向を注視し、自らの視点により問題を発見しようとする人         

入学者選抜の基本方針

修士論文等、研究計画書を含む出願書類の審査、志望する研究テーマに関する専門知識と分析力を判定する筆答試験、提出論文および研究計画に関する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

修士課程

英語学専攻(語学領域)

人材育成の目的

「英語」という言語がどのようなものであるのかを探る、現象の記述や実験を中心とした実証的な研究や、さまざまな枠組みでの理論研究を行うための指導を行っています。

求める学生像

1. 英語や日本語をはじめ、人間の持つ言語一般について強い興味を持つ人
2. 論理的思考力、日本語および英語の読解力と表現力、情報リテラシーを備えている人
3. 自分で問題を設定し、それを解決するための手だてを探求していくことができる人     

入学者選抜の基本方針

英語力、専門的知識および研究能力を重視し、英語学に関連する論文またはレポートと研究計画書等の出願書類、英語および英語学・言語学に関する筆答試験、およびそれらについて日本語と英語で試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

英語学専攻(文学領域)

    人材育成の目的

    英語の高度な運用能力を身につけると同時に、外国語大学の特性を生かした複数の外国語との比較などを通して、「言葉」に対する感受性の練磨を目指します。具体的には、さまざまな文学作品をていねいに読み込み、作品の中の「言葉」の働き方を的確に見極めることで、作家の主張を理解するとともに、その背景にある社会の風土や歴史への深い認識を獲得することを目標とします。

    求める学生像

    1. 英語圏の文学・文化に強い関心をもつ人
    2. 英語をはじめとする「言葉」一般に対する飽くなき好奇心と粘り強い探究心を備えた人
    3. 異文化について得た知識を、積極的・意欲的に社会に還元し、活用しようとする姿勢をもつ人

    入学者選抜の基本方針

    英語力、専門的知識および研究能力を重視し、英語圏文学に関連する論文またはレポートと研究計画書等の出願書類、英語および英語圏文学に関する筆答試験、およびそれらについて試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

    英語学専攻(通訳翻訳学領域)

    人材育成の目的

    通訳翻訳行為のプロセスとプロダクトについて理論的考察を深めるとともに、実際の具体的な訳出を観察・分析し、自らの通訳翻訳の実践力も高めることを目指します。通訳翻訳の対象となる言語ペアは日本語と英語を基本とします。

    求める学生像

    1. 日本語と英語を用いたコミュニケーションにおける理解力や表現力のさらなる向上を目指す人
    2. 通訳学・翻訳学にかかわる学際的研究へのたゆまぬ知的好奇心を抱く人
    3.通訳翻訳の理論と実践を主体的に学び、広く社会に還元する姿勢を持続する人

    入学者選抜の基本方針

    専門的知識および研究能力を重視し、志望する専攻の科目に関する筆答試験と、志望する専攻の分野に関連する論文またはレポートと研究計画書等について試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

    ロシア語学専攻

    人材育成の目的

    高度なロシア語運用能力と幅広い教養、そして高い専門知識を持ち、日本におけるロシア研究をリードするだけでなく、国際的な舞台でも学術研究に重要な貢献をなしうるような人材の育成を目指します。

    求める学生像

    1. 自らの研究対象を徹底的に解明しようとする強い探求心と意志を持つ人
    2. 研究者としても一市民としても高い倫理観を有する人
    3. 既存の価値観にとらわれない柔軟性を持ちつつ、同時に謙虚に、地道に研究を続けることのできる人

    入学者選抜の基本方針

    専門領域に関する知識、研究能力等を重視し、志望する専攻の科目に関する筆答試験と、志望する専攻の分野に関連する論文またはレポートと研究計画書等について試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

    中国語学専攻

    人材育成の目的

    中国語圏の言語・文学・文化に対する高度な専門的知識と幅広い教養を持ち、全世界的な広い視野をも兼ね備えたシノロジストを養成することを目指します。そのため、自らが設定した研究課題を深く掘り下げ、徹底した分析によって問題を解決に導くとともに、それを論理的に表現するための能力を身につける訓練を行います。

    求める学生像

    1. 中国語圏の言語・文学・文化などをより深く掘り下げて学びたい人
    2. 自らが設定した研究課題に意欲的に取り組むとともに、関連する知識を貪欲に吸収しようとする人
    3. 将来、大学院で習得した専門的知識を活かして社会に貢献しようと考えている人

    入学者選抜の基本方針

    専門的知識および研究能力、または、研究に関する問題意識および研究意欲ならびに適性などを重視し、志望する専攻の科目に関する筆答試験と、志望する専攻の分野に関連する論文またはレポートと研究計画書等について試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

    イスパニア語学専攻

    人材育成の目的

    高度なスペイン語(イスパニア語)運用能力を基礎として、創造的な研究を行うことを目指します。スペイン語およびその背後に広がる文化的背景についての広範かつ専門的な知識を習得するとともに、人文社会科学の最先端を見据えた独創的な研究に取り組み、その成果を広く国内外に発信することのできる人材の育成を目標としています。

    求める学生像

    1. スペイン語およびスペイン語圏に関する研究に幅広く関心を持つ人
    2. スペイン語を中心とした言語運用能力によって学術的知見の還元を目指す人
    3. 旺盛な知的好奇心をもって、研究課題に取り組むことのできる人

    入学者選抜の基本方針

    専門的知識および研究能力、または、研究に関する問題意識および研究意欲ならびに適性などを重視し、志望する専攻の科目に関する筆答試験と、志望する専攻の分野に関連する論文またはレポートと研究計画書等について試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

    国際関係学専攻

    人材育成の目的

    国際社会の動きを幅広い専門的視点(法学・政治学、経済学・経営学、文化論)からとらえ、国境を越えて広がる複雑多岐な課題に柔軟に対応する能力を養い、国際社会の様々な分野で活躍できる人材の育成を目指しています。

    求める学生像

    1. 様々な国際的な課題に対して柔軟に対応するために必要な幅広い専門知識(法学・政治学、経済学・経営学、文化論)を習得し、異文化理解を深めようという強い意欲をもつ人
    2. 将来、専門知識と外国語を活用して、国際舞台で働き、かつ国際社会の発展に貢献したい人
    3. 国際問題や文化摩擦などに関わる専門家や研究者を目指す人

    入学者選抜の基本方針

    法律・政治領域、経済・経営領域 
    専門的知識および研究能力を重視し、志望する専攻の科目に関する筆答試験と、研究計画書等について試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。
    文化領域
    専門的知識および論述能力、または、希望する研究内容に関する問題意識を重視し、志望する専攻の科目に関する筆答試験と、研究計画書等について試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。                                                                              

    日本アジア言語文化専攻

    人材育成の目的

    当専攻には、「日本語」「日本文化」「アジア言語文化」の三領域があり、日本とアジアの言語・文化・社会に関する高度な専門教育を提供しています。人文社会科学の最先端をリードする研究者の養成と、幅広い国際感覚と高い外国語運用能力を備えた人材の養成を、教育の基本方針としています。

    求める学生像

    1. 研究を遂行するための言語能力と基礎知識を持つ人
    2. 日本とアジアの様々な言語・文化に広い関心を持つ人
    3. 日本とアジアの言語・文化・社会に関心を持つ社会人、および留学生

    入学者選抜の基本方針

    専門的知識および研究能力を重視し、志望する専攻の科目に関する筆答試験と、研究計画書等について試問する口述(面接)試験により、入学者を選抜します。

    英語教育学専攻

    人材育成の目的

    当英語教育学専攻は、児童英語教育、中学校、高等学校など、様々なレベルの現職教員の専門性を高めることを目的とするプログラムで、以下の5つの目標を持っています。

    1.高い英語運用能力
    2.学習者理解と自己変革への内省力
    3.教室で応用できる指導理論
    4.メディア応用技術
    5.異文化理解・対応力

    求める学生像

    本専攻は自律的な実践者を養成することを特色とし、求める学生は、すでに教育経験を有し、上記の5つの目標を達成する意欲を持っている現役教師です。

    入学者選抜の基本方針

    志望理由書とその英文要旨等の出願書類と、英語の口頭運用能力の評価を含む面接試問により、入学者を選抜します。

    2014年12月 制定
    2021年10月 改定
    2022年9月 改定