在学生の方市民・一般の方

2021年4月 5日

2021年度宣誓式・入学式を挙行しました

 4月5日、481人の新入生を迎えました。

新型コロナウィルスの影響により、今年は各学科が各教室に分かれて行いました。代表者のみ三木記念会館で宣誓を行い、その他の新入生は各教室でオンライン中継を見る形式となりました。

0405_2021nyugaku1.png 0405_2021nyugaku3.pngのサムネイル画像

 久元喜造神戸市長からも今年はオンラインで祝辞をいただき、分散型の開催となりましたが多くの方々に祝福され、新入生たちは本学学生としての大学生活をスタートさせました。

0405_2021nyugaku4.png 

2021年度入学式神戸市長祝辞

新入生代表からは、「本日、わたしたちは神戸市外国語大学に入学することができました。これからの4年間、外国語をはじめ、さまざまな社会や文化の学習を通して、優れた国際感覚を身につけ、『行動する国際人』として21世紀のより良い社会づくりに貢献できるよう努力いたします。」と力強い宣誓があり、式典後には田村美恵学生支援部長からのメッセージや、事務局からのオリエンテーションがありました。

 ここに今年度より就任の田中悟新学長の式辞を紹介します。

学長式辞

 新入生の皆さん、神戸市外国語大学へのご入学、おめでとうございます。本日、大学院に35名、学部に446名の新入生をお迎えすることになりました。新たに481名の学生を本学にお迎えできますことを、教職員一同嬉しく感じております 。

0405_2021nyugaku2.png

 この1年間は、皆さんにとって困難の連続であったのではないかと思います。今年は、昨年まで実施されていた「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」に変更された初めての年でした。「大学入学共通テスト」については、当初予定されていた方法が直前に変更されましたので、多くの受験生は混乱の中で勉強することを余儀なくされました。 加えて、昨年春より新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、その影響により学校で授業が受けられないなど、落ち着いた学習環境が整わない中での受験となりました。
 また、新型コロナウイルス感染症の流行と入試日程が重なるなどしたため、「入試はどうなってしまうのだろう」と不安な日々を送られたのではないかと思います。こうした予想が立てづらい環境の中で、様々な工夫を重ねて大学受験に臨まれた皆さんにとって、大学への入学を果たし式に臨まれることは一層感慨深いことかと思います。

 現在、新型コロナによるパンデミックに直面し、人類全体も大変な困難に直面しています。このパンデミックは、人の命を危機に陥れるだけでなく、経済活動や社会活動を停滞させ人々の生活にも非常に大きな影響を与えています。また、人々が普段行ってきた様々な人と人との交流も満足のいく形でできない状況が続いております。 こうした困難に直面して、人々はどのように対応しているでしょうか?

 たとえば、現在世界中で新型コロナウイルスに対抗するワクチン接種が始まっておりますが、ワクチンを開発するために、世界中の関係者がウイルスの性質や遺伝子配列といった構造を観察し、これに基づいて薬学的な分析や臨床試験を行ってワクチンが開発されました。また、経済活動の停滞についても、どのような業種がどのような理由で、マイナスあるいはプラスの影響を受けているのかが観察され、これに対して分析を行うことによって種々の政策が立案され実施に移されています。

 このように、困難な状況に直面したとき、人々はその状況を、それぞれの分野から観察し、何が困難をもたらす原因となっているかを分析し、対応策を考えていきます。困難に対応していくためには、観察や分析といった作業が必要不可欠であると言えるでしょう。しかし、観察や分析を行うためには、それぞれの分野で確立された方法を勉強していく必要があります。

 皆さんには、是非ご自身が関心を持つ領域を見つけ、大学での学びを通じて、困難を克服できるように観察や分析を行う力を養っていただくようお願いしたいと思います。 困難を克服する力を身につけることは極めて重要なことですが、もう一つそれ以上に重要なことがございます。
 人間は長い一生の間に多くの困難に直面します。困難に直面したときに、人は困難な状況から目をそらし、困難から逃げようと考えがちです。高校までの勉強の過程でも、苦手な科目があったとき、ともすれば「私には能力がないから」といった理由や「入試に関係ないから」といった理由をつけて、真剣に勉強に取り組まないことがあったかもしれません。私自身も日々痛感していることですが、仕事がたまってきたときに、仕事をしない言い訳を探している自分を発見することが多々ございます。
 では、どのようにすれば、困難から逃げずに困難を直視できるのでしょうか? 極めて難しいことなのですが、困難を前向きに捉えることで困難を直視できるようになるのではないかと思います。困難を「嫌なこと」と捉えるのではなく、むしろ「チャンス」と捉えて果敢に困難を直視していくことが良いのではないでしょうか。大きな困難の後には、大きな変化が生じることは、歴史が示しているとおりです。

 私たちは、江戸末期に黒船来襲という困難に直面した人々が明治維新を通じて新たな世の中を作ったことを知っています。また、第2次世界大戦終結後の困難の時代の中から多くの優れた経営者が輩出され、世界に誇る様々な製品が作り出されることにつながったことも私たちの知るところです。現在、世界を襲っている新型コロナによるパンデミックも、こうした眼で見るときには、ポストコロナ時代を迎えるに当たっての大きなチャンスの時期と言えるのかもしれません。

困難を前向きに捉え、困難を克服する力を身につけることは、一朝一夕で達成できるものではありません。しかし、この1年間で様々な困難を乗り越えて大学生となられた皆様には、きっとこうした力を身につけて社会に巣立っていくことができるものと信じています。本学のホームページでご覧いただいた方も多いかと思いますが、本学のロゴマークは世界地図をデザインした羅針盤の形をしています。皆さんが困難を前向きに捉え困難を克服する力を身につけていただくために、私たち教職員は皆さんお一人お一人が持つ羅針盤の役割を担いたいと考えております。

 皆さんが本学で思う存分学びを深めることができるように、教職員一同努力してまいりますことをお約束し、私の式辞とさせていただきます。 本日は誠におめでとうございます。

2021年4月5日

学長  田中 悟