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2023年4月 5日

【認定留学】メキシコ国立自治大学留学レポート(メキシコ)

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留学先・留学期間は?

留学先はメキシコ国立自治大学(UNAM)に付属しているCEPEという語学学校です。留学期間は202210月~20238月までの10か月間で、現在留学の真っ最中です。

どういった留学制度で留学をしましたか?

大学の認定留学も兼ねながら、日本の外務省とメキシコ政府が共同でおこなっている「日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」の研修生としてCEPEで勉強しています。
スペイン語の授業では語学力によってレベル0からレベル8までレベル分けされています。本研修計画では、レベル7を卒業後は学校に通う必要はなく、インターンシップを行えるという制度があり、私は4月末にレベル7を卒業する予定です。その後、残りの3ヵ月はチアパス州にある貧しい子供たちを支援しているNGOやその他国際支援を行っている団体等に所属しようと考えています。そのため留学期間は8月頭までですが、授業を受けるのは実質4月末までということになります。

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CEPEのクラスメイト
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日墨研修生の集合写真

メキシコ国立自治大学への留学のきっかけを教えてください。

留学を考え始める段階から、スペイン語が学べる中南米または南米への留学を視野に考えていたところ、メキシコ国立自治大学のCEPEが協定校ということを知り、選びました。ラテンアメリカ諸国は治安が良くないというイメージをもっている方も多く、反対の意見もありましたが、10か月間の留学について前向きに背中を押してくれた両親にはとても感謝しています。

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フリーダ・カーロとディエゴ・リベラの像
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プエブラ(チョルーラ遺跡)

留学先ではどんな授業を受けていますか?

毎日スペイン語の授業が毎日3時間と、会話と作文の授業が週2回あります。クラスは08のレベルごとに9つに分かれていて、1クラスは610人ほどの少人数授業です。先生は生徒一人ひとりをしっかり見てくれていて、発言や質問をしやすい良い環境です。
また語学の授業の他に、週2回メキシコについての文化の授業があります。文学や歴史のついてや、先住民についての授業やメキシコの映画、そしてサルサやメレンゲなどのダンスの授業も人気でした。私はメキシコの伝統舞踊の授業を取っていて、地方ごとの伝統舞踊と歴史を併せて学び、実際の衣装を着て踊ったりと、とても充実した授業でした。

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メキシコの伝統舞踊の授業
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UNAM図書館

留学先の生活はいかがでしたか?

普段の生活

夜に1人で出歩かない、公共交通機関では荷物を前に抱えるなど、安全を守る行動を日常的にしていれば安心して暮らせる、とても過ごしやすい街です。
メキシコ人の人柄は陽気で親切、そしてフレンドリーです。道に迷ったときや困っているときに人に尋ねると、とても優しく教えてくれます。
また、メキシコ人は家族との繋がりをとても大切にしています。私もホストマザーの家族やメキシコ人の友達の家族に温かく迎えてもらい、楽しい時間を過ごしました。

楽しかった思い出

12月の初旬にオアハカ州の小さな村に5日間ほど滞在しました。現地のメキシコ人の友人の親せきが住んでいる村で、帰省するときに一緒に連れて帰ってくれました。携帯の電波も公共交通機関もなく、観光客も1人もいないような小さな村でした。
その村では、「グアダルーペの聖母の日」という、メキシコ人に最も敬愛されている聖母の出現を祝う伝統的なお祭りに参加しました。村人全員が村の中心に集まって踊って飲み明かし、みんなで一緒にご飯を食べるという貴重な体験をさせてもらいました。オアハカのウィピルという民族衣装を着させてもらい、私も時間を忘れて踊って楽しみました。ここでも村の人たちの温かいコミュニティに迎え入れてもらったことにとても感謝しています。

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友人の家族と過ごしたクリスマス
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オアハカの小さな村の人々

留学を経て学んだことや、身についた力などはありますか?

この留学は、自分の今まで生活を見直すきっかけになりました。
日本にいたときは当たり前だったことが、メキシコでは当たり前ではありません。今までいかに贅沢で裕福な暮らしをしていたのか、ということを目の当たりにしています。
私たちは何年も先の未来を見据えて勉強や仕事をすることが出来ていますが、メキシコには今日一日を生きるために必死にお金を稼いでいる人が大勢います。道端で物を売っている人や、路上でショーをしてチップを稼いでいる人。大人だけではなく、小さな子供たちまでも同じようにお金を稼いでいます。彼らの生きる力というのは私たちより何百倍も強いのではと感じました。日本はあふれるほどの商品やサービスで充実していますが、生きていくために本当に必要な物は少ないのだと思い始めています。
さらに、首都のメキシコシティでさえ、人口の6割は水を自由に使えていません。私の現在住んでる家は町の中心部に近いため、問題なく水を使えていますが、中心部から少し離れると断水する日も少なくありません。水に困っている人がたくさんいることを常に頭におき、蛇口をひねると水が出てくることのありがたさと水の大切さを日々感じています。
日本でいかに不自由のない生活をしていたのかということを痛感する留学になりました。

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神戸市外大を選んだ理由を教えてください。

将来アフリカやラテンアメリカで国際支援活動をするために、大学ではフランス語もしくはスペイン語を勉強したいと思っていたところ、神戸市外大のイスパニア学科ではスペイン語だけではなく、スペイン語圏の文化も学べるということを知り、イスパニア学科の受験を決めました。またスペインには協定校も多く、交換・認定留学だけではなく、イスパニア学科には短期派遣留学制度もあり、留学の形が様々なことも魅力的でした。
また、大学内で外国人の方と交流する機会があることも大きいです。入学してから実感しましたが、神戸市外大には留学生も来ていますし、オンラインでの交流会等もあります。私は1回生の冬にTandemというUNAMで日本語を勉強している学生たちとのオンライン交流会に参加し、半年間オンラインで交流していました。その学生と今回の留学で対面で会うことが叶い、今ではとても仲の良い友達です。多国籍の人と気軽に交流できるのは、外国語大学ならではです。このようなプログラムに参加を迷っている人がいたら、ぜひ思い切って挑戦してほしいです。

神戸市外大を目指す受験生に応援メッセージをお願いします!

受験期は毎日勉強勉強!と、何のために勉強しているのか、モチベーションを見失いかけることもあると思います。そんな時は少し手を休めて、将来の自分のビジョンを想像してみてください。外大に入ると今まで以上に視野も世界も広がります。大学入学後は楽しいことがたくさん待っています。目標を見失いかけたときは、大学で何を学びたいのか、どのような人生を歩みたいのかということを考えると、自然とモチベーションが上がって、苦しい受験期もきっと乗り越えられると思います。応援しています!

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