就職・資格

2025年12月 1日

【卒業生お仕事図鑑】伊藤忠ロジスティクス株式会社

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【卒業年月】20243
【卒業学科】英米学科
【卒業高校】大阪府立八尾高等学校

勤務先の企業について教えてください。

伊藤忠ロジスティクスは、伊藤忠グループ唯一の総合物流会社です。国内に40カ所、海外に500カ所以上の拠点を持ち、全世界を結ぶ「陸・海・空の輸送」と「物流センターの運営」で、お客様にとって最適なロジスティクスを提供しています。さらに、私たちは、単にAからBへ物を運ぶだけ、倉庫で荷物を保管するだけではなく、物流をベースとした「+α」の価値を提供したいと考えています。この「+α」を絶え間なく考え抜き、商社が持つ機能を柔軟に組みあわせ新たな価値を提供することで、商社系物流企業として物流を超えた新しいビジネスを創出しています。

現在のお仕事の内容について教えてください。

現在は「モンゴル担当」として、幅広い商材の対モンゴル輸出入に携わっています。主に、完成車および自動車部品を取り扱っており、日本からモンゴルまでの一貫輸送(海上+鉄道)を手配・管理しています。また、モンゴルに関係する案件に加えて、その他様々な国にかかわる案件も担当しており、グローバルに業務を行っています。

所属は機械・自動車部ですが、お客様のニーズに応じて、機械・自動車以外の商材も取り扱います。例えば、モンゴルからはゲル(遊牧民の居住用テント)やプラセンタの輸入、日本からははちみつやアイスクリームの輸出など、バラエティに富んだ案件にも挑戦しています。

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横浜からタイへ機械を輸出する案件で、船がスケジュール通りに航行しているかを確認しています。

現在のお仕事を選んだ理由・きっかけは何ですか?

海外滞在中に目にしたコンテナ船の光景や、現地の店頭に並ぶ日本製品がきっかけです。英米学科を志したのも、グローバルな視野を持ち、世界を舞台に生活・仕事をしたいという思いからでした。海が好きで、サンセットの景色を眺めるのが好きなのですが、洋上に並ぶコンテナ船を見て「この船はどこから来たのだろう」と想像が膨らみ、物流の壮大さにロマンを感じました。また、海外の店で日本製品を見たとき、妙な安心感があり、「誰かが手配してここまで運んでいるのだ」と実感しました。人々の生活を支える仕事に魅力を感じ、物流の道を選びました。

神戸市外大での学びが社会(企業)で生かされていると思うことは何ですか?

外大で身につけた「グローバルな視点」と「多文化コミュニケーション力」は、今の仕事に直結しています。英米学科で鍛えた英語に加え、第二言語や文学、文化学習を通して相手の背景まで含めて伝える・汲み取る姿勢が自然と身につきました。

国をまたぐ案件では、言葉の翻訳だけではなく文脈の翻訳も重要となります。商習慣や前提の違いを踏まえて整理・調整する、誤解のない文章で合意点を探る姿勢は、日中モンゴルを跨ぐ一貫輸送の現場で役立っていると感じます。

社会人になってから在学中にしておけば良かったと思うことはありますか?

英語以外の言語の学習です。英語ができる人材は多いため、さらに多様な言語を身につけていれば、コミュニケーションの幅が広がったのではないかと感じます。

私の担当するモンゴル向け案件は中国経由が多く、弊社中国店と毎日やり取りしています。中国側の担当者は非常に流暢な日本語を話されるためコミュニケーションには困りませんが、私自身が中国語を話せれば、相互に助け合いながら、より円滑にコミュニケーションが取れるだろうと感じています。現在は会社の補助を受けて、中国語の学習を進めています。

神戸市外大を志望した理由を教えてください!

「世界を舞台に働く」を前提に、語学だけでなく文化・社会まで横断して学べる環境を探していました。神戸市外大は少人数で実践的に語学を鍛えつつ、留学や国際交流のチャンスも多い。グローバル志向の仲間や先生が集まるコミュニティの空気感も自分に合っていました。

キャンパスは神戸市西区の緑に囲まれた環境で、落ち着いて学べるのが魅力だとも感じました。静かな学習環境で集中しつつ、関西一円の国際的なネットワークや都市圏へアクセスできる、そんなバランスの良さが、自分の目指すグローバルなキャリア設計にフィットすると感じて志望しました。

神戸市外大で楽しかった授業はありますか?

英米学科所属でしたが、第二言語として学んだスペイン語の授業がとても楽しかったです。当初、初めて触れる言語ということもあり、不安も多くありましたが、教授の陽気なキャラクターと、テンポの良い授業で、簡単な文脈のみではありますが、自然と身についていきました。言語を通じて文化背景に触れられ、世界観が広がりました。

在学中の思い出について教えてください。

神戸外大ハビタット(通称こべたっと)に所属し、幹部としてサークル運営に携わりました。海外で住宅建設を支援する「GV」と呼ばれる活動を主軸としていましたが、渡航直前に新型コロナの影響で中止となってしまいました。その他対面で行っていた活動も、オンラインでの活動となり、メンバーのモチベーション低下を懸念し、幹部で何度もミーティングを重ね、活動継続の形を模索しました。幹部メンバーのアルバイト終わり等にミーティングを開始し、深夜まで語り合うといったことも多々ありましたが、メンバー同士和気あいあいと、サークルの将来、活動について真剣に悩み、考えアイデアを出し合った日々は大学時代のかけがえのない思い出となっています。結果として東北地方でのボランティアなど、別の形で「住まい」に関わる活動を継続することができ、コロナ収束後は後輩たちがGVに参加できたこともあり、サークルを存続できた達成感を感じていました。

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オンラインミーティング時の写真です。コロナ禍中であったためZOOMを使って活動していました。

就職活動時に外大生で良かったと思ったことは?

外大生はとにかく「十人十色」だったなと思います。日本の大学にいながら、各地で刺激的な体験をしている人、学生ながら成熟した思考を持つ人など、良い意味で"クセ"のある仲間が多かったことが特徴です。直接の体験に限らず、仲間の話や写真から学び、楽しみながら自分の糧にできたのは大きな財産でした。多様な価値観に日常的に触れることで、自然と視野が広がり、本当の意味での「自分らしさ」を見つけることができたことは、就職活動において非常に役立ったと感じています。こうした経験を得られたことから、外大生で本当に良かったと思いました。

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東北地方でのボランティアの写真です。写真中石碑に刻まれている「津波てんでんこ」という言い伝えは数年たった今でもしっかりと覚えています。