国際交流・留学

2025年12月 3日

【交換留学】ルートヴィヒマクシミリアン大学ミュンヘン・哲学部(ドイツ)留学レポート

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国際関係学科 4年生

留学先・留学期間

留学先:ルートヴィヒマクシミリアン大学ミュンヘン哲学部(ドイツ)
留学期間:2024年9月〜2025年8月
留学制度:交換留学

留学先を選んだ理由・留学のきっかけを教えてください。

ドイツ語圏の文化や歴史、そしてミュージカルが好きだったことから、以前より漠然とドイツに憧れを抱いていました。芸術の国という印象が強く、あらゆる芸術を愛する私にとって、まさに理想的な環境だと感じました。
また、高校時代にアメリカへ長期留学していた経験から、英語圏ではない国で第二外国語を習得したいという思いもありました。その中でも、治安が良く、バイエルン州ならではの豊かで独自の文化が根付くミュンヘンを留学先として選びました。
数ある学部の中で哲学部を選んだのは、外大でも哲学ゼミに在籍しており、日本社会に根付くさまざまな問題を哲学的な観点から考察したいと考えたからです。

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留学先の雰囲気はどうでしたか?

ドイツトップの総合大学ということもあり、現地の学生、留学生ともにとてもレベルが高く、刺激的な大学生活を送ることができました。さらに、ドイツでは学び直しが主流なので、さまざまな年齢の学生と学べたことは、かなり貴重な経験となりました。
歴史ある大学なので、私の留学していた哲学部があるメインキャンパスは、世界遺産か何かと見まがうほど重厚なつくりでした。また、大学主催のクラブイベントやパーティーもたくさんあり、友達作りにそこまで苦労することもなく、充実したキャンパスライフを送ることができました。
哲学部は他の学部と比べて課題が非常に多く、内容も難易度が高かったため、授業についていくのはとても大変でした。しかし、努力を重ねた結果、最終的にはほとんどの授業でトップクラスの成績をいただくことができ、大きな達成感を得られる留学となりました。

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留学先でどんな授業を受けましたか? 授業内容を教えてください。

Democratic Theory...民主主義について、哲学的観点から学ぶ授業。実際にクラス内で模擬選挙を行ったり、ディベートを行ったりして、主体的に学ぶことができとても楽しかったです。

Philosophy of Meditation...瞑想を通してどう "自己" を解釈するか、ということについて学ぶことのできる授業。教授がとても若い方で、生徒との距離がとても近く、授業というよりは仲のいい友人たちとの対話のようでした。

Injustice at Work...現代社会における労働の在り方を、さまざまな観点から向き合い、その倫理的、規範的な問題を考える授業。当時就職活動で悩んでいた私にとって、働き方について新たな視点をもたらしてくれ、とてもためになりました。

The Ethics and Politics of Parenting...子育てによって生じる道徳的、社会的問題について哲学的に考える授業。目から鱗の子育てセオリーが沢山学べて、とても有意義な授業でした。

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留学先での一番の思い出は何ですか?

本当にたくさんの思い出があり、一番を決めるのは難しいのですが......
暇さえあればドイツを飛び出し、ヨーロッパ各地を旅していたことが特に印象に残っています。行く先々で、教科書やインターネットでは決して知ることのできない現地の暮らしや文化に触れられたことは、今後の人生における大きな財産です。
中でも心に残っているのは、一週間かけてアイスランドを一周したロードトリップです。念願のオーロラを目にし、出会って間もない仲間たちと大自然を背景に語り合った時間は、一生の思い出になりました。
また、ミュンヘン発祥の大イベントオクトーバーフェストに参加できたことも貴重な経験でした。シーズン中はほぼ毎日のように、民族衣装ディアンドルを着てお祭りを満喫していました。

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留学前の準備スケジュールについて教えてください。

1年生】入学前からドイツ交換留学を希望していたため、1年生の頃から積極的に説明会に参加したり、先輩方からお話を聞いたり、ドイツ人の子のJLPパートナーをしたりしていました。また、迷うことなく第二外国語でドイツ語を選択し、ドイツ語の基礎を学びました。さらに、交換留学には成績も選考要素に含まれるので、専攻の授業には特に力を入れていました。

2年生】ドイツは交換留学の選考が前期に行われたため、春にIELTSを受験し、ぎりぎりで出願しました。秋には荻野スカラシップにも応募し、採用していただくことができました。IELTSは勉強時間をほとんど確保できず、ぶっつけ本番のような形になってしまったので、もっと計画的に準備をしておけばよかったと少し後悔しています。

3年生】定期的にドイツ語や英語に触れられる環境に身を置き、語学力の向上に努めました。また、6月頃からは留学先での寮探しや語学学校の申し込みを進めました。渡航前は、出発の数日前に引っ越しをし、2日前からパッキングを始めるという、かなりぎりぎりのスケジュールになってしまいました。私は大学が始まる前に、1か月のドイツ語集中講座に申し込んでいたので、少し早めの出発となりました。

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留学の際に日本から持っていくと良いものを教えてください。

    ・スキーウェアの上下...ヨーロッパの冬は寒く、長いので、普通のダウンジャケットではなかなか太刀打ちできません。

    ・薬...ドイツ語で適切な薬を買うのは至難の業です。特に、ドイツはハーブティーを使った自然療法が主流で、薬局でも薬が入手しづらいので、自分に合った薬は必ず日本から持っていきましょう。

    ・インスタント食品...ドイツにはコンビニがないので、ご飯を作りたくないときや忙しいときは、インスタント食品が大活躍しました。特に、ラーメンやお米がおすすめです。

    ・水着...温泉に入るときや、旅行先などで泳ぐときに必須です。私はよく、大学近くの川や、オリンピアパークにある競泳プールで泳いでいたので、水着は欠かせませんでした。

    ・サランラップ...ドイツ製のものは切れ味が悪すぎます。

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    留学を経て学んだことや、身に付いた力などを教えてください。

    留学中は「できるだけNOと言わないこと」と「自分から積極的に周囲を巻き込んで行動すること」を意識して生活していました。その結果、失敗を恐れず、どんなことにも情熱をもって挑戦できるようになったと思います。
    また、多くの新しい経験に取り組む中で、自分が本当に大切にしたいことに気づき、価値観だけでなく人生設計そのものも大きく変わりました。留学前には思い描いていなかった将来像が見えてきたことは、私にとって大きな収穫でした。
    さらに、留学先で出会った友人たちとは、帰国後も定期的に連絡を取り合ったり、集まったり、一緒に出かけたりしています。彼らの存在が、留学という経験をより特別でかけがえのないものにしてくれました。
    留学がもたらしてくれるのは、語学力や知識だけでなく、広い視野と多様な価値観であることを、身をもって実感した一年でした。

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    神戸市外国語大学を選んだ理由は何ですか?

    もともと得意だった英語力をさらに伸ばせるだけでなく、多様な言語や諸外国の文化・歴史・経済について幅広く深く学べる点に魅力を感じ、志望しました。そして、外国語大学という単科大学であれば、同じ夢や目標を持つ仲間と出会いやすく、互いに刺激し合いながら学びを深められるのではないかと思いました。また、オープンキャンパスの際に感じた、小規模な大学ならではのアットホームな雰囲気も、志望の大きな決め手となりました。

    受験生へメッセージをお願いします!

    私は国際関係を学びたくて外大を志し、受験しました。しかし、外大で多くの魅力的な授業を受けるうちに、自分の関心が別の分野に向いていることに気づき、ドイツでは国際関係とは全く異なる哲学部に留学しました。外大ではこのように専攻の垣根を越えて幅広い学問に触れ、自分の視野と可能性を広げることができます。
    受験勉強は大変だと思いますが、4月からの外大でのキャンパスライフを想像しながら、ぜひ頑張ってください。そして、もし外大に入学されたら、ぜひともミュンヘン大学への留学をおすすめします。世界的にも評価の高いミュンヘン大学で学べるのは、またとない貴重な機会です。ミュンヘンを選んだことは、私にとって人生で最高の選択だったと胸を張って言えます。

    それでは皆さん、Toi toi toi!(ドイツ語で「うまくいくように」というおまじないです)

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