2026年1月 9日
【開催報告】マリー=モニク・ロバン監督映画「なぜ新型ウイルスが次々と世界を襲うのか」上映(日本語字幕)&トーク
12月15日(月曜)と22日(月曜)の2日間にわたり、ドキュメンタリー映画上映とトーク「人間と自然の関係を考える」が開催されました。今回のイベントでは、『モンサントの不自然な食べもの』などで知られるフランスのドキュメンタリー映画監督・著述家のマリー=モニク・ロバン氏より、近作『なぜ新型ウイルスが、次々と世界を襲うのか』(2022)を国内で初めて上映するという貴重な機会をいただきました。字幕の作成には、本学の学部生および卒業生が参加しています。
映画では、生物多様性、感染症、人間/家畜/野生動物の関係、そして気候変動といった問題が取り上げられています。現代世界のエコロジー問題をパノラマのように見せる映画を手がかりに、様々な論点をめぐって議論が行われました。

15日(月曜)は総合文化グループ 太田悠介准教授(フランス現代思想)によるイントロダクション、ロバン監督からのビデオメッセージに続き、映画の前半を上映しました。22日(月曜)は映画の後半を上映し、同じく総合文化グループ 宮下みなみ准教授(ドイツ語圏文学)と太田准教授によるトークを開催しました。
宮下准教授は現代のドイツの状況を踏まえながら、ヴィーガンを中心とするライフスタイルの変化、ヨーロッパのオオカミ問題と日本の熊問題の類似、鶏卵を産む鶏に対する動物福祉の高まり、「自然」の観念をめぐる環境政党と保守政党の間にある対立など、多岐にわたる論点を提起しました。
太田准教授からは、個人のライフスタイルと資本主義システムという両方の視点を持つこと、貧困を中心とする社会正義と気候変動対策に代表される気候正義の接合の重要性、さらに、ロバン監督の映画にはヨーロッパと非ヨーロッパ世界の間にある知の非対称性を問い直す視点が伺えるといった点について言及がありました。その後、会場を交えて活発にディスカッションが行われましたが、地球環境の悪化を前にした若者の不安と無力感に関する質問に対し、「知ることが最初の力となる」と応じた宮下准教授のコメントがとりわけ印象的でした。
