2026年3月 9日
【卒業生お仕事図鑑】外務省(1999年3月卒)

【卒業年月】1999年3月
【卒業学科】国際関係学科
【卒業高校】千葉県立佐倉高等学校
勤務先について教えてください。
外務省は、国際社会において我が国の安全及び繁栄を確保し、日本国民の生命と財産を守るために様々な活動を行っています。外務省の仕事の場は、政策決定を担う外務本省と政策の実施、現地情勢の報告等を行う在外公館に分けられます。私は現在、在外公館である在ポーランド日本大使館に勤務しています。私にとって、外務省とは、世界を相手にしながら日々新しいことを学び、自身が成長し続けることのできる職場です。
現在のお仕事の内容について教えてください。
現在、在ポーランド日本大使館の政務班において、主に二国間関係、政治情勢のフォロー等を行っています。これまでの二年間は広報文化センター長も兼務し、日本文化普及、我が国の政策発信等にも取り組みました。私は、ポーランド語の専門職員であり、要人を始め通訳を務める機会もあります。
ポーランド以外では、これまで東京の外務本省で欧州連合(EU)、条約の締結等を担当したほか、ギリシャでの勤務経験もあります。また、要人往来や出張で多くの国を訪問し、東日本大震災直後には被災地へリエゾンとして派遣されるなど、様々な経験を重ねてきました。一つの国及び言語を専門としながらも、幅広い分野に挑戦できることが魅力と言えます。

ポーランド上院議長の安倍総理(当時)表敬における通訳(写真:内閣広報室)
現在のお仕事を選んだ理由・きっかけは何ですか?
神戸市外大に在籍していた頃から、英語を使う国際的な仕事に憧れを抱いていました。ただ当時は、具体的にどのような職業に就きたいのか、明確なイメージを持てずにいました。
そのような中、フォークソング部で音楽活動に没頭し、大学卒業後に1年間英国へ音楽留学しました。1年間と期間を定めて本気で挑戦しましたが、最終的に、音楽の世界で自分がやりたいことを続けていくことは容易ではないと判断し、帰国後に頭を切り替えて、外務省に挑戦することにしました。
一般的には「回り道」に見えると思います。しかし、英国留学時に日本人としてのアイデンティティを強く意識した経験は、その後の進路に大きな影響を与えました。私にとっては、この過程があったからこそ、現在の仕事にたどり着くことができたのだと感じています。

ワレサ元ポーランド大統領と駐ポーランド日本大使の意見交換における通訳
神戸市外大での学びが社会で生かされていると思うことは何ですか?
神戸市外大の国際関係学科で学んだ国際政治や国際法などの知識は、外務省の試験に向けた勉強の基礎となりました。
しかし、それ以上に現在の仕事に生きているのは、大学生活そのものの経験だと思います。大学生活は、高校までの環境とは大きく異なり、自ら考え、自ら選び、自ら責任を持つ「自由な環境」と言えると思います。その中で、自分の関心に基づいて学び、行動し、試行錯誤しながら道を切り開く経験をしたことが、社会人としての姿勢の原点になっていると思います。
私は、外務省での日々の業務において、与えられた仕事をこなすだけでなく、「どのような付加価値を加えられるか」を常に意識しています。このような主体的な姿勢・発想の原点は、神戸市外大で過ごした日々に遡ることができるように思います。

東日本大震災直後の被災地でのリエゾンとしての活動
社会人になってから在学中にしておけば良かったと思うことはありますか?
正直に言えば、在学中にもっとやっておけばよかったと思うことはたくさんあります。「なぜ国際法の学習にもっと没頭しなかったのか」、「なぜ神戸に住んでいながら関西を旅行しなかったのか」など、挙げればきりがありません。
ただ一方で、在学中にできなかったことでも、本当にやりたいことであれば社会人になってからも挑戦することは可能です。学生の皆さんには、4年間という限られた期間において、勉学や研究を通じて基礎的な力しっかり養いながら、自分が心から関心を持てるもの、心から没頭できるものを見つけ、ぜひ積極的に挑戦してほしいです。その経験は、どのような進路を選んでも必ず生きてくると思います。

ポーランドでの日本文化行事への出席
神戸市外大を志望した理由を教えてください!
大学進学に当たり、得意だった語学力をさらに伸ばすだけでなく、国際関係について体系的に学びたいと考えていました。当時、外国語大学の中で国際関係学科を設置していたのは神戸市外大のみであったため、その点に強い魅力を感じ、志望しました。
私は転勤の多い家庭で育ったため、新しい土地で生活することへの抵抗はありませんでした。むしろ、異文化との交流の歴史を有する神戸という都市で学生生活を送ることができたことは、視野を広げる貴重な経験になりました。
神戸市外大で楽しかった授業はありますか?
神戸市外大を卒業してから四半世紀が経ち、遠い思い出となってしまいましたが、今でも講義の一コマ一コマは鮮明に覚えています。特に印象に残っているのは、国際法、国際経済、英文学、各国の社会に関する授業です。
授業だけでなく、学食で先輩や仲間と過ごした時間も、学生生活の大切な思い出です。こうした学びや交流の経験が、今の仕事での多様な人との関わりや国際的な視野を養う土台になったと感じています。
在学中の思い出について教えてください。
神戸市外大では、フォークソング部で音楽活動に没頭しました。学園祭や定期演奏会だけでなく、神戸市内でもコンサートを行い、多くの仲間と共に演奏を楽しんだ日々は、今でも大切な思い出です。
また、私は阪神・淡路大震災の直後の1995年4月に入学しました。震災の悲しみを乗り越えて力強く復興する神戸の姿を目の当たりにしながら学生生活を送ったことは、個人的に貴重な経験となりました。

神戸市外大時代の音楽コンサート
就職活動時に外大生で良かったと思ったことは?
私の場合、大学卒業後に留学を経て公務員試験に挑戦したため、幅広く就職活動を行った経験はありません。
一方、神戸市外大には、基礎的な知識や能力を身につけるだけでなく、自分の興味・関心を深く追求できる環境があり、この環境に身を置けたという意味において「外大生で良かった」と今でも感じています。
最後に外大生や外大を目指す受験生へメッセージをお願いします!
外大生の皆さんには、4年間という限られた大学生活において、勉学だけでなく、自分の関心のあることに積極的に挑戦してほしいと思います。大学時代は、自分の興味・関心の領域を広げる絶好の時期だと思います。この機会に多くの世界に足を踏み入れることが、社会人になってからの大きな財産になると思います。
神戸市外大を目指している受験生の皆さんにおかれましては、神戸市外大は自身の可能性を広げられる素晴らしい環境ですので、受験勉強を頑張ってください。
