お知らせ

2026年3月31日

2025年度学位記授与式・卒業式を挙行しました

3月25日(水曜)、2025年度学位記授与式・卒業式を執り行い、学部生424人、大学院生27人が卒業・修了しました。

IMG_3847.JPG

今年度も修了生・卒業生全員の氏名の読み上げ及び校歌斉唱を実施しました。

ここに、田中学長の式辞を紹介します。

学長式辞

IMG_0093.JPG

卒業生の皆さん、本日はご卒業おめでとうございます。また、別室にて式典にご列席なさっておられる保護者の皆様には、ご卒業生の晴れ姿をご覧になり、大変喜んでおられることと拝察いたしております。これまでのご卒業生に対する物心両面にわたる献身的なご支援に敬意を表しますとともに、この場をお借りして祝意を表したいと思います。

さて、ご卒業に当たって今一度、ご自身の大学時代を思い返してみて下さい。多くの皆さんが大学に入学された当初には、コロナ禍の影響が様々な場面で残っており、ともすれば勉学や課外活動に不自由を感じたかもしれません。また、世界各地で頻発している戦争や紛争を目の当たりにし、絶望感や怒りを感じた方も多かったのではないかと思います。一方で、私たちを取り巻く日常生活にも大きな変化が生じてきました。ここ数年間で生成AIが様々な場面で実装され、私たちの勉学の方法にも大きな影響を与えてきました。また、最近の日本での円安や物価高の急速な進行は、皆さんの経済生活を直撃したのかもしれません。皆さんの大学時代に起こったこのような様々な出来事は、いずれも予想されたものではありません。このことは、現代はまさに何が起こるかが全く予想できない不確実性の極めて高い局面にさしかかっていることを示しているように思います。

このような不確実性の時代を乗り越えていくためには、どのような点に留意すれば良いでしょうか? 不確実性が大きな社会では、私たちは、しばしば予想しなかった様々な困難に直面することになります。このような困難にぶつかったとき、これに速やかに適応することができれば、困難を乗り越えて前向きに前進することができるのではないでしょうか? このように考えますと、不確実性の時代においては、予期しない変化に適応できる「適応力」が重要な力になるように思います。たとえば、水は「器」という外部環境に合わせて、自由自在に形を変化させます。一方で、水は大きな岩をも砕く強い力を持っています。老子の有名な言葉に「上善(最高の善)は水の如し」という言葉がありますが、不確実性の時代における「強さ」は、困難に際してただ困難にじっと耐えるのではなく、状況に応じて自らを適応させ前向きに前進する力にあると言えるでしょう。

皆さんの大学での経験は、こうした適応力を培うのにきっと役立つことと思います。皆さんは、大学での日々の勉学を通じて語学や各コース、専攻で学んだ専門知識を身につけられました。また、様々な授業の場で、物事を深く考え適切な方法で分析する力を養ってきました。さらに、先生や友人との討論の中で、様々な背景を持つ人々と円滑なコミュニケーションを図る能力も培ってきたのではないかと思います。こうした大学での生活で身につけた様々な能力は、これから直面するであろう様々な困難な状況に適応するのに十分なものだと確信しております。皆さんが養ってこられた多様な能力を信じることは、皆さんに心の余裕を作り出すことでしょう。こうした心の余裕を持ちながら、いわば「自然体で」状況に対処していくことで皆さんの適応力を高めることができるのではないかと思います。困難に直面した時には、ぜひ大学時代の様々な経験を思い起こしてください。そうした経験や大学で学んだ能力は、水のように強い適応力をもって様々な困難を乗り越えられる力となることを確信いたしております。

皆さんは、それぞれの進路に応じて、これから様々な場所で活躍なさることと思います。皆さんが大学時代を過ごしたここ神戸の地は、現在大きな変貌を遂げつつあり、5年後や10年後には現在と大きく異なる姿を見せるかもしれません。しかし、それぞれの活躍の場で、皆さんが大学時代を過ごした神戸の地を忘れずに、強い適応力を持ちながら、世界に通用する次世代の社会を作り上げていただくことを心よりお祈り申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。ご卒業、本当におめでとうございました。また、ご静聴、ありがとうございました。

2026年3月25日

学長 田中悟