お知らせ

2026年4月14日

2026年度宣誓式・入学式を挙行しました

4月6日(月曜)、450人の新入生を迎えました。
新入生は、今西正男神戸市副市長からご祝辞をいただき、教職員をはじめ多くの方々から祝福を受け、本学学生としての大学生活をスタートさせました。

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ここに、田中学長の式辞を紹介します。

学長式辞

新入生の皆さん、神戸市外国語大学へのご入学、おめでとうございます。また、別室にてご臨席くださっている保護者の皆様におかれましては、ご入学生に対するこれまでのご支援に、大学教職員を代表して敬意を表しますとともに、この場をお借りして心よりお祝い申し上げます。本日、本学には、大学院に30名、学部・第2部に450名の新入生をお迎えすることになりました。新たに480名の学生を本学にお迎えできますことを、私たち一同大変喜んでおり、心より歓迎いたしたいと思います。

長い受験勉強という困難を乗り越えて、本学への入学を果たした今、皆さんは新たな気持ちで、今後数年間の大学生活での夢を思い描いているのではないでしょうか。語学そのものを深め究めたいと考えている方もいるでしょうし、外国語をツールとして人間の行動原理や社会の有り様を専門的に勉強したいと考えている方もおられるでしょう。課外活動やボランティア活動に参加して、自分自身を磨いてみたいという希望を持つ方もおられるかもしれません。大学では、語学や外国文化・外国社会に関する専門性を高めるべく勉学に励んでいただくことは言うまでもなく必要不可欠なことですが、皆さんに少し立ち止まって考えていただきたい点についてお話し、はなむけの言葉にしたいと思います。

皆さんは、これまでの様々な学校生活で色々な問いに対して答えを探してきたことと思います。実際、受験勉強では、様々な教科で実に多くの問題を解いてきたことと思います。また、探求的な学びを行って、世界が直面する環境問題について調べたり報告を行ったりした方もいるかもしれません。そうした勉学の多くは、既に問いが準備されているものであったかと思います。しかし、大学での勉学は本来的に、自分が本当に追及したい問いを発見し、その問いに対する解決方法を模索するという特徴を持っています。ここに集っておられる皆さんの多くは、大学の卒業・修了を前にして卒業論文や修士論文を執筆することになるかと思いますが、論文の執筆は自分が追究したい問いの存在が大前提となります。一方で、自分が本当に追及したい問いを発見することは、私たちが想像する以上に難しいものです。問いの発見のためには、その問いに先人たちがどのように向き合い考えてきたかをじっくり学ぶ必要があるからです。皆さんには、是非、課題発見の重要性を意識して勉学に取り組んでいただきたいと思います。

また、大学では、各自の関心に従って、専門性を深めることが要請されます。専門性を高めていくためには、専門性という「穴」を深く掘っていくことが必要ですが、深い穴を掘るためには同時に穴の幅も広くしていく必要があります。この比喩は、専門性を高めるためには、その分野を深く学んでいくと同時に、関連する分野にも目配りして勉強することの必要性を示しています。その意味で、真の専門化は深く学ぶとともに、広く学ぶことによって培われることに是非留意してください。実際、私自身も様々な専門家の方々とお話して驚かされてきたのですが、ある分野の専門家が、隣接分野や場合によっては全く異なる分野に対して非常に深い造詣を持っていることがしばしばあります。日本初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士は物理学の専門を極めた方ですが、同時に空海の密教について非常に深い造詣を持っていたことが知られています。深く広く学ぶのは大変困難な道ではありますが、皆さんにはこの困難な道を歩んでくださることを切に願っております。

深く広く学ぶことにとって、多様な人々との真摯な対話や議論は非常に有益なものです。他の地域で育った友人や文化的背景の異なる外国人と交流することは、自分のものとは異なる視点で問題を考えることに気づかせてくれます。また、異なった領域に問題関心を有する学生や先生と議論することで、異なる領域での問題意識を知ることができます。こうした多様性に積極的に触れることは、自身の視野をきっと深めるものになるでしょう。本学は小規模ではありますが、多様な専門領域で研究を重ねている多数の教員が在籍しています。本学が立地する神戸の地は、国際港湾都市として発展してきた歴史を持ち、海外との交流が盛んな地でもあります。また、本学はお隣の神戸市立工業高等専門学校と共に、神戸市公立大学法人という同じ法人の下で運営されており、違う専門分野を持つ両校の学生の交流活動だけでなく、両校が提供する一部科目の単位互換の仕組みを通じて、両校の学生が共に学ぶ授業もスタートしています。これらの機会を積極的に利用して、皆さんに深く広く学んでいただきたいと考えております。

近年、様々な分野で、私たちが予想しない事象が数多く生じ、時代は激動の局面に入っていると言われます。世界の様々な地域で戦争が勃発し、戦禍で多くの人々が苦しんでいます。また、大きな自然災害や異常ともいえる気象現象が世界各地で頻発しており、世界の人々に大きな衝撃を与えています。こうした近年の様々な領域における大きな事象は、これまでの常識が通用しない予想困難な時代が到来していることを示しています。こうした予想が困難な社会では、よりどころとなる羅針盤が必要になると思います。「学びの技法」とも呼ぶべき学び方はそうした羅針盤の役割を果たすかもしれません。皆さんが、大学生活の中でこうした一生涯にわたって通用するような「学びの技法」を獲得し、社会をリードする人材として巣立っていただくことを期待しています。

大学・大学院時代には、様々な困難に直面するかもしれません。勉強に行き詰まったり、友人との人間関係に悩む場面もあるかもしれません。こうしたときには、周りの教員や先輩・友人たちと話をしたり、しかるべき相談窓口で相談してみてください。そうした困難を乗り越えていくこともまた、大学・大学院時代の経験を通じた学びとなります。皆さんが、この貴重な大学・大学院時代の期間で、関心を持つ領域の専門性を高めるとともに、隣接分野を広く学びながら、社会が直面する多様な課題から自身の追究すべき問いを見い出し、そうした問いの解決を図ることができるような能力を身につけ、大きな成果を上げられることを心よりお祈りいたしております。本日は、ご入学、本当におめでとうございました。

2026年4月6日
学長  田中 悟