コース概要

文明が国家や民族の枠を越えて遠心的に広がり、人類共通の財産となるのに対して、文化は気候風土、風俗習慣、そこに生きる人間の思考様式と密接に絡み合っており、文明のように遠心的に広がっていくことはありません。その意味で、文化は個別性・地域性をその特徴としていると言えます。だからといって、文化が排他的で閉ざされたものであるというのではありません。それどころか、個々の文化は絶えず異文化と交流、接触することによって古くなったもの、時代に合わなくなったものを切り捨てるか、変容させて新たに生まれ変わっていきます。したがって、個別性、地域性にこだわりすぎると、文化理解に大きな支障をきたすことになります。恒常的なものと変容しやすいもの、この両者によって作り上げられている文化の理解には、当然のことですが異文化との交流、接触から生じる変化にも目を配らなければなりません。

文化コースでは、文化のこうした特性を踏まえて地域的、個別的な研究を一方の核にしながら同時に変化していく部分、すなわち交流、接触から生まれる新しい側面にも目を向けることによって、文化の本質である恒常性と変容をとらえていきます。従来、世界地図は政治的な枠組みによって色分けされてきましたが、冷戦終結後の激動の時代を迎えて全面的な見直しを迫られています。そうした視点に立って、日本を含むアジア地域、中近東とアジアの一部を含むイスラム圏、ヨーロッパと南北アメリカの4つの地域に分け、それら相互の交流、接触と個々の文化研究を着実かつ創造的に研究します。

授業担当専任教員(2024年度)

日本文化

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